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晃の苦悩★2

*** 晃・side *** 『・・・・・・痴漢~? 遊が?』 『・・・・はい』 俺は、なんとかバイトを終わらせてから 事の経緯を店長に話していた。 さっき、遊から「帰ったよ」メールがきたし 長くなっても大丈夫。 安心して、話していられる。 なんとか店長を説得しないと! と、店長を見ると・・・ 店長は 心底 呆れ返った顔で俺を見ていた。 『───で?ここでバイトすんの、 遊もいいって言ってんのか?』 『あ、いえ!これから帰ったら・・・』 「話します」と言いかけた俺に 大きくため息をつく店長。 『お前なぁ・・なに1人で暴走してんだよ』 『え?』 『それはお前が勝手に 決めることじゃないだろーが』 『う・・・、そ、それは・・・』 『まずは遊に話して、 遊の返事をちゃんと聞いてから俺に言え。 話はそれからだ』 『・・・・・・・・・・え?』 ええ!? 店長が・・・・まともな事、言ってる・・! ゴンッ! 『いっ!いたぁぁい――っ!』 『うるせぇ。もう帰れ、てめー』 頭を殴られたうえに ドカッ!と、お尻も蹴られた。 『いたたっ・・・! でも・・・俺、遊が心配で・・・っ!』 『遊と話せ』 『てんちょーっっ!』 『うるさい、帰れ』 きっと面白がって 根掘り葉掘り 聞かれて 楽しそうに高笑いされるものだとぱかり思っていたのに・・・、 意外なことに店長は笑いもせず、 終始 不機嫌で、俺を諭そうとまてしてくる。 ・・・・・・なんで? いつもの店長じゃないっ! なんで?どうして・・・?! 『じゃあな』 ついには荷物を持たされ、無理矢理 外に押し出された。 『え・・・、て、てんちょー!?』 『じゃーな、晃くん。また明日ー』 『・・・・・・え?え?』 すげー、棒読みなんですけど!? 呆気に取られている間に バタン、ガチャン ドアが閉まり、カギをかけられた。 『あぁ!て、てんちょ・・・・』 声をかけると、ドカッ!とドアを蹴る音。 あの様子じゃ もう聞いてくれそうにないな・・・ 店長の言うとおり、 まずは遊と話してみよう・・・ 俺は急いで家に帰ることにした。

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