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晃の苦悩★4
『晃くん、晃くーん!』
『んー?』
考え事に気をとられていた俺。
はっ、と気がつくと・・・
遊の顔が間近に・・・
寄り目になりそうなくらい近くにあった。
っていうか・・・
顔が真剣で そんな顔も・・・かわいい・・・///
――って、
違うだろーっ、俺っっ!
『まだ、何かあるんでしょ?言って?』
両手で頬を挟まれて、グニグニされる。
『え?え・・え・・・・
えー・・・と、よく分かんない・・・・・』
『分かんない?』
『うん・・・何か、こう・・・
引っ掛かってるっていうか・・
モヤモヤしてるっていうか・・・
でも、それが何なのか・・・分かんなくて』
『モヤモヤ・・・・?』
『うん・・なんなんだろう・・・これ?』
自分の胸を片手でギュッと、押さえてみる。
モヤモヤ・・・
モヤモヤ・・・
『なんだろう・・・』
『うん、なんだろう・・・』
自分でも 分からないのに、遊に分かってもらおうっていうのが無理な話で・・・
2人で 暫し 悩む。
遊の事が心配、・・なのは もちろん、
なんだけど・・・
それとは違う何か・・なんだよな・・・
電車については・・通学時間は、
ラッシュアワーから外れてるし・・、
乗るときは大体、俺と一緒だし・・、
バイトも迎えに行く事にしたし・・、
大方の心配事は対処できるから、
大丈夫・・・だと思う。
じゃあ、なに?
なんなんだ?
このモヤモヤは・・・!
『時間が解決してくれる感じ?』
『・・うーん・・、それも分かんない・・・』
『そう・・。ごめんね・・僕のせいだよね・・』
『え?いや・・・違う!違うよっ!
遊のせいじゃないんだ!』
『・・・違うの?』
『え?あれ?・・え・・・?』
『じゃあ、なに?』
『・・・・・・・・・え?』
えぇ??
あれ・・・・?
俺・・・咄嗟に遊のせいじゃない、
って思った・・・
じゃあ、なに?
・・・わ、分からん!
『・・・晃くん?』
『・・・・・・・・・』
分からん・・・
でも遊のせいじゃない
それが分かっただけで・・・
もう、いいや。
もう、これ以上
考えてもどうにもならない気がして、
俺は考えることを放棄した。
『遊っ!お風呂!お風呂に入ろうっ!』
『・・・・・・・・えー・・・・』
『いいから!行こ?』
『・・・・・・・・・』
遊は、納得いかない様子だったけど、
無理やり引きずってお風呂に連れていった。
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