243 / 761
晃の苦悩★8
『ゆっ・・ゆゆゆっ////!
ちょちょ、ちょっと、待っ・・・!!』
ビックリして、遊の方を見ると・・・
有無を言わさず、唇を塞がれた。
『ん・・・っ、んっん・・・////!』
遊は力が強い。
俺はろくに抵抗も出来ず・・されるがままに。
な、何で?
何があったんだ・・・・?
『んー、んっんっ・・、ぷはぁ!ゆ、ゆー?』
少しキスが緩くなった隙を狙って唇を離す。
至近距離で目があった遊は、誘ってきたわりに欲を感じなくて・・・むしろ今にも泣きそうな顔をしていた。
『・・ゆー・・・・?』
『・・っ…、・・・ごめん・・・
きょ、今日は・・自分の部屋で寝る・・ね・・・』
悲しそうな顔をした遊が、離れていく。
考えるよりも先に体が動いて
ベッドから下りようとする遊を捕まえて
腕の中に閉じ込めた。
『・・・・っ、晃・・くん・・・は・・離して・・・』
『・・・イヤだっ』
ジタバタ暴れる遊・・・
だけど本気じゃない・・のは俺にでも分かる。
あー、
遊に こんな事までさせて
なんかホントに・・・
ちっさいなー、俺・・・っ!
もう・・・いいや。
遊が好きで、
遊と一緒にいられて
それだけで、幸せ。
それで いいんじゃん。
ありもしない事で悩むのはやめよう。
『ゆー、ありがと。大好き』
『っっ?!――//// ず、ずるい・・・』
『んー?ずるい?何が?』
『だって・・それ・・言われたら・・・・///』
『だって、ホントの事だもん ♪ 』
『・・・・・・・・・もぉ・・//////』
真っ赤な顔になった遊が、俺の方に向き直って、しがみついてきた。
『よかった・・・・』
『え?』
『嫌われたのかと思った・・・』
『えぇ!?な、なんで?』
『だって・・・僕のせいで晃くん・・・・』
『・・・っ、それは違うって・・・・』
俺は、さっき遊から 逃げたのに
遊は・・・来てくれた。
情けない俺だけど・・・・
こんな俺でも・・・
きっと遊は受け止めてくれる。
きっと。
* * *
───数分後。
『──え?新見さんに・・嫉妬・・・?』
『うん・・・。嫉妬というか・・
なんか・・上手く言えないんだけど
俺が こうしたかった・・とか、
俺は こうは出来ないだろうな・・とか
新見さんと比べると俺って・・ダメだなって。
それが悔しいっていうか・・・情けなくて・・・
モヤモヤしてたみたい・・・・・』
『・・・・・・・・』
『なんだろう・・。
新見さんを見てると・・カッコよすぎて
へこんじゃうんだよね・・・
・・・つまんない意地・・なんだけど・・・』
『ホント・・・・・つまんない』
『えっ・・・?』
呆れたように放たれた遊の言葉が
グサリ・・・と胸に突き刺さった。
ともだちにシェアしよう!