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晃の苦悩★8

『ゆっ・・ゆゆゆっ////! ちょちょ、ちょっと、待っ・・・!!』 ビックリして、遊の方を見ると・・・ 有無を言わさず、唇を塞がれた。 『ん・・・っ、んっん・・・////!』 遊は力が強い。 俺はろくに抵抗も出来ず・・されるがままに。 な、何で? 何があったんだ・・・・? 『んー、んっんっ・・、ぷはぁ!ゆ、ゆー?』 少しキスが緩くなった隙を狙って唇を離す。 至近距離で目があった遊は、誘ってきたわりに欲を感じなくて・・・むしろ今にも泣きそうな顔をしていた。 『・・ゆー・・・・?』 『・・っ…、・・・ごめん・・・ きょ、今日は・・自分の部屋で寝る・・ね・・・』 悲しそうな顔をした遊が、離れていく。 考えるよりも先に体が動いて ベッドから下りようとする遊を捕まえて 腕の中に閉じ込めた。 『・・・・っ、晃・・くん・・・は・・離して・・・』 『・・・イヤだっ』 ジタバタ暴れる遊・・・ だけど本気じゃない・・のは俺にでも分かる。 あー、 遊に こんな事までさせて なんかホントに・・・ ちっさいなー、俺・・・っ! もう・・・いいや。 遊が好きで、 遊と一緒にいられて それだけで、幸せ。 それで いいんじゃん。 ありもしない事で悩むのはやめよう。 『ゆー、ありがと。大好き』 『っっ?!――//// ず、ずるい・・・』 『んー?ずるい?何が?』 『だって・・それ・・言われたら・・・・///』 『だって、ホントの事だもん ♪ 』 『・・・・・・・・・もぉ・・//////』 真っ赤な顔になった遊が、俺の方に向き直って、しがみついてきた。 『よかった・・・・』 『え?』 『嫌われたのかと思った・・・』 『えぇ!?な、なんで?』 『だって・・・僕のせいで晃くん・・・・』 『・・・っ、それは違うって・・・・』 俺は、さっき遊から 逃げたのに 遊は・・・来てくれた。 情けない俺だけど・・・・ こんな俺でも・・・ きっと遊は受け止めてくれる。 きっと。 * * * ───数分後。 『──え?新見さんに・・嫉妬・・・?』 『うん・・・。嫉妬というか・・ なんか・・上手く言えないんだけど 俺が こうしたかった・・とか、 俺は こうは出来ないだろうな・・とか 新見さんと比べると俺って・・ダメだなって。 それが悔しいっていうか・・・情けなくて・・・ モヤモヤしてたみたい・・・・・』 『・・・・・・・・』 『なんだろう・・。 新見さんを見てると・・カッコよすぎて へこんじゃうんだよね・・・ ・・・つまんない意地・・なんだけど・・・』 『ホント・・・・・つまんない』 『えっ・・・?』 呆れたように放たれた遊の言葉が グサリ・・・と胸に突き刺さった。

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