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晴臣の試練☆7

『あ、ホントにいた!』 『・・・・・え?』 『新見さんが 晴臣さんは外にいるって 言ってたから』 『英道が?』 『うん。さすがに よく分かってるね』 『・・・・・う・・・////』 晃が「うーん」と伸びをして俺の隣に座る。 『・・・・?俺を呼びに来たんじゃないの?』 『うん。そうだけど~ちょっと話さない?』 『?・・・・話・・・?』 『うん。えーと・・・晴臣さんは・・・ 新見さんが嫌いなの?』 『は・・・・・・?』 また、直球だな・・・、コイツは・・・ でも・・・・分かりやすくて いいな 『・・・嫌いだったら、一緒にいない』 そう答えた俺に、晃は にっこり笑う。 『だよね~? でも、それなら ちゃんと“好き”って 言ってあげたら?・・新見さん、喜ぶよ?』 『・・・・・っ! そんなの・・・、俺だって分かってるよっ!』 思わず、また大きな声が出た。 けど、言われてる事は もっともで・・・・ 『分かってる・・・・分かってるんだよ・・・』 どんどん 声が小さくなっていく。 『・・・大丈夫だよ。新見さんも・・晴臣さんの気持ち、分かってると思う。でもね・・? 分かってても、言葉にしてもらえると すごく嬉しいし・・すごーく心が温かくなるんだよ?』 『心が・・・?“好き”で?』 『そう ♪ あと、“好き”が増える!』 『ふ、ふーん・・・』 『だからさ、もし新見さんと いずれ離れるつもりなら、気持ちはないって、早めに言ってあげないと・・振り回したあげくにサヨナラ・・じゃあ、新見さんがかわいそうだよ?』 『は・・・・はあっ!?そんなこと、しないっ!』 『うん。───じゃあ、頑張ろ?』 『・・・・・・・・っ、う・・、わ・・分かった・・・』 『よーし!じゃあ、戻りますか!』 俺の肩をポンポン叩いてから、先に立ち上がった晃が俺に手を差し出してきた。 その手を掴んで、俺も立つ。 すると、晃が ちょっとだけ変な顔をした。 『なに?・・・あ、――ありが・・とう・・?』 お礼を言わなかったからかな?・・と思って 礼を言ったのだけど、晃はキョトンとして、それから曖昧に笑うと 先に扉を開けて中へと入っていった。 『・・・・・・・・・?』 なんだ・・・・? 違ったのかな? よく分からないけど・・・ とりあえず 俺は晃の後を追った。

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