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晴臣の試練☆8

店の中に戻ると、 英道と遊が話していた。 近づくと 英道の、 「まずは好きって信じてもらわねーと」 っていう言葉が聞こえてきて 思わず 反射的に 「信じてる」と、 口に出してしまっていた。 英道がビックリした後、 嬉しそうにわらってくれて すごく 恥ずかしかったけど・・・ ちゃんと気持ちを伝えられて 嬉しくなった。 晃と遊にも謝ってお礼を言ってスッキリ。 それから・・・ずっと思ってた事、 タメ口で話す晃を 年上らしくビシッと 注意したのに 「年上に見えない」 って、からかわれる始末で・・・。 な、生意気な・・・! そして 失礼な・・・! ・・・・・・でも、まあ、 今日は許そう。今日は、な。 なんか色々あったけど、 この2人とは仲良くなれそうな気がする。 そんな嬉しい予感を胸に 連絡先を交換してファミレスの前で別れた。 * * * なんか気分がいいから、と のんびり歩いて帰ることになった。 俺は、それで全然いいんだけどさ・・・。 『英道・・・、仕事 忙しいんじゃ・・・』 『ん?ああ、いや。今日が締切だったから しばらく ゆっくり出来るんだ♪』 『そ、そっか・・・』 ───ホッ 忙しいのに無理させちゃ悪いもんな 安心して歩き出すと、 英道が 俺に向かって手を差し出した。 『・・・・・・・え?』 なに・・・? 手、繋げってこと? 『・・・・・っ・・・////』 いつもの俺なら 「なに言ってんだ!バカッ///!」 なんて、英道の手を払いのけるトコロ なんだけど・・・・ 素直になる・・・素直に・・・なる・・//// 晃と話した事を思いだし おずおずと手を出すと、ギュッと握られた。 触られるって分かってても 一瞬、ピリッと電気が走ったみたいになって、やっぱり体がビクついた。 そんな俺を英道がジーっと見てくる。 『・・・・な、なに///?』 『今から、ウチ 来るか?』 『・・・・・え?』 『泊まってけよ。 お前の着替え、一式 あるしさ』 『え・・・・と・・・・う、うん・・///、』 素直に、素直に! 俺も、まだ一緒にいたいから。 それに、 うまく言えるか自信はないけど 俺の思ってること・・・きちんと話したい。 繋いだ手から 隣を歩く英道が、 何となく・・・ご機嫌なのが伝わってくる。 俺はというと この後の事を考えてて 恥ずかしくて、英道の顔が見れなくて。 だから、横を歩く英道が 楽しげに、妖しい笑みを浮かべている事に まったく気づけなかった。

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