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新見さんと。☆1

ある日の夜。 ガラッ─── 『いらっしゃいませ~』 『よー、晃~♪』 『あ!新見さんっ!』 初めて会ったあの日から、 何度か メールの やりとりをしていて ここの居酒屋でバイトしてる事も 知らせてたんだよね。 ホントに来てくれたんだー! 『・・・って、あれ? 1人ですか?』 『うん。ハルは会社の飲み会』 『そうなんですね。あ、こちらにどうぞ~!』 『どうも。とりあえず、生ね』 『はーい!生、入りまーす!』 すぐに、 お通しと生ビールをテーブルへと運ぶ。 『お待たせしましたー。どうぞ』 『サンキュ』 美味しそうにゴグゴクと喉を鳴らし ビールを飲む姿が・・・なんかカッコいい・・! くぅ~! やっぱり、大人の男・・・って感じだ! カッコいいーっ! 生ビールのおかわりと他の注文も聞いて ルンルンで厨房へ向かっていると・・・、 店長が苦虫を噛み潰したような顔で立っていた。 『てんちょ?・・・どうしたんですか?』 『お前・・・アイツと知り合い?』 『───へ?・・ああ。 前に遊が痴漢にあった時に 助けてくれた人が あの人なんです~』 『はー・・・・・・・アイツだったのか・・・』 『??・・・知ってるんですか?』 『・・・・あー・・・まぁな・・・』 そうなんだ。 でも・・すっごい嫌そうな顔してるけど なんでだろ・・? その時、新見さんが 席を立って こっちに歩いてくるのが見えた。 新見さんの方は なんか・・・ ニヤニヤしてるけど・・・ 『───チッ』 『・・・・・・・???』 店長、舌打ちって・・・ やっぱり、知り合い? ・・・ていうか、仲 悪いの? わー、どうしようっ!! 『よー、かおちん。 久しぶり♪』 『その呼び方やめろ。殺すぞ、このヤロー』 『はは。どーぞどーぞ。これから殺されに ちょこちょこ来てやるからヨロシク♪』 『ああ?来なくていい。つーか来んな』 『ヤダね。あ、ハルも連れてくるからさ♪』 『ハル?お前・・まだ、会ってんのか・・・』 『いやいや!会ってるっていうかさ~! 晴れて、つきあい始めました~っ!』 『・・・・・・・・・チッ、クソうぜぇ・・・・』 嬉しそうな新見さん・・・・と、 面白くなさそうな店長。 店長のご機嫌はフルマックスに悪そう、 なのに ドス黒オーラは出ていない。 この2人・・仲がいいのか悪いのか・・・ 一体、どういう知り合いなんだろう・・?? あー、ここに遊を呼びたいっっ! 俺は、ワクワクしながら 次の展開を待つのだった。

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