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新見さんと。☆4
でも、まあ・・・
店長も人の子ってことだよな。
うん。
それにしても・・・
相談に来てた新見さんを面倒くさいって・・・
この人は・・・
(やっぱり人の子じゃないな。うん)
毎日 来てたってことは新見さんも
相当 本気で悩んでたんだろうし、
好きな人が痴漢にあうなんて、
同じ立場になった俺なら分かるけど
かなり へこむんだよ・・・
・・・・ん?
痴漢にあった事を・・・相談・・・
めんどくさい・・・
うぜぇ・・・
───って!
俺もじゃん!!
『てててて、てんちょー!
もしかして・・俺が・・・!
遊が痴漢にあったって相談した時・・っ!』
なんか、店長にしては妙にあっさりして
素っ気なかったって気がしてたんだ!
話す前は やたら楽しみにしてたくせに
話し終わったら全然!
茶化したり からかったりしてこなかった!
明らかに 早く帰らせたがってた・・!
『あー、あれな。お前の話 聞いてたら
新見を思い出してなー』
と、店長は コホンと1つ 咳払いをすると
『ま、要は面倒くさかったって事だ』
しれっと、言い放った。
『・・・・・・・・・・っ!!』
や、やっぱりーっ!!
がっくり・・・
やっぱ、そうか・・・・!
『あ、そういや、あれから何も言わないけど、もう いいのか?』
『はぃ・・・・まぁ・・・』
『そかそか。よかったな~』
『はぁ・・・・まぁ・・・』
『って事で、今後 一切 俺に真面目な相談なんぞしなくていいからな?そんなんより、なんか面白い事があったら報告しろ、な?』
『・・・な、何なんですか、それ!』
どっちが、質 悪いクソでクズなんだか・・・
まぁ でも・・
こっちの方が店長らしいか・・・
『あと、新見と会うなら ここじゃなくて
別のどこにしろよ?
ウチの店には来るなって言っとけ。』
『あぁ・・・はい。一応 伝えておきます』
『よし。もういいぞ、帰れ』
店長が シッシッと手を振る。
『・・・お疲れさまでした。さようなら』
ドアを開けて休憩室を出る。
ドアが閉まる寸前・・・チラッと振り返ると、
両手で頭を抱えて座る店長の姿が見えた。
なんか・・疲れてるなぁ。
ホントにイヤなんだな・・・・
って事はさ・・
ある意味、新見さんって すごいよな。
あの店長を あそこまで疲れさせるんだから。
まさに、天敵!
すごいよ、新見さん!!
・・・店長の弱点発見しちゃった!
さ、帰ったら遊に報告だっ!!
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