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新見さんと。☆6
☆ ☆ ☆
あっという間に日は過ぎて・・・
鍋パーティー当日!
新見さんちは、俺たちの住んでる所から
近いから わりと気軽に行ける。
手土産にケーキを買って、マンションの前まで来ると・・・、晴臣さんがいて 手を振ってるのが見えた。
『晃~!遊~!』
『晴臣さん!』
『わざわざ待っててくれたんですか~?』
『え?あ・・あー、うん。そう。待ってた』
『・・・・・・・?』
『なんか あったんですか?』
歯切れの悪い返事に理由を聞いて見れば、
晴臣さんの顔が・・なぜか ボンッと音を立て
みるみる赤くなった。
『・・・//// 何でもないっ!行こうかぁ!
さー、行こうっっ!』
ギクシャクと歩き出す晴臣さん・・。
えーと
右手と右足が同時に出てます・・・けど。
うーん。
最近、いろいろと積極的な新見さんに
何か されて逃げてきたんだろう・・・な。
赤くなるような事を さ(笑)。
チラッと遊を見ると・・遊も俺を見ていて、
意味ありげに笑った。
どうやら
遊も俺と同じ事を考えていたらしい。
エレベーターに乗っても、晴臣さんは赤い顔のまま、ずっと下を向いている。
『・・・・・・・・』
そういえば・・・晴臣さんってスーツ姿しか見たことなかったけど・・今日は、パーカーとジーンズ姿で・・なんか いつもより、より若く見えるな・・・。
下手したら中学生でも いけそうな・・・
遊も、かわいい系だけど・・・
(っていうか可愛いんだけどね!?)
晴臣さんよりは大人びてる顔立ちなんだよね。
(いや、世界一 可愛いけどね!?)
――とか、考えていると・・・
手の甲に チクリと痛みが走った。
ん?
手を見る・・・と、遊が俺の手をつねっていて
頬を膨らませ 怒ってるように見えた。
え?
俺・・・なんか した?
『ゆ、遊・・・?』
慌てて 訳を聞こうとした その時、
エレベーターが止まり、扉が開いた。
「こっち」と、晴臣さんが先に降りて
続けて 遊も 降りた。
俺を振り向きもせず、さっさと歩いていく遊の手を咄嗟にとって、小声で問いかけた。
『ゆ、ゆー?!お・・俺、なんか した?』
手を引くと遊が立ち止まり、くるっと振り返る・・・けど
や、やっぱり・・・!
なんか怒ってる・・・っ!!
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