273 / 761

新見さんと。☆9

『わー!美味しそうっ!!』 土鍋でグツグツ、美味しそうな匂いに  お腹が グーっと鳴る。 『みーんな若いから肉がいいかなーと思ってな♪ 鶏肉に鶏団子に豚肉も入れてみた♪』  『わあ!すごい!』 『お肉いっぱい~』 『・・・なに ちゃっかり “自分も若いんです” アピールしてんだよ』 『ん?俺、エロ親父だけど、若いから。』 『・・・・・・っ!・・もしかして・・・お前・・・さっきの まだ根にもってんのかよ!しつっこいな~! これだから親父は・・・!』 『え?あ、あの・・・』 『あ、え、えと・・・』 『親父だけど若いから記憶力がいーんだよ』 『・・・若い若いってアピールしなきゃダメなくせに なに言ってんだよ、おじさん!』 『おじさんじゃねーもん』 『もん、とか言うな!』 『もーんもーん』 『・・・・もーっ!』 まだ、2人のじゃれあいは終わらない。 面白いからずっと見ててもいいんだけど 鍋は食べ頃、お腹もグーグー鳴っている・・・ ここは・・・俺がなんとかしないと 『わあー!おいしそうだなー!食べたいなー!』 わざと大きな声を出して‘’食べたいですアピール”をする・・・と、2人は ピタリと言い合いを止めて、そそくさと席についた。 食べ始めると、新見さんが鍋奉行っぷりを発揮して、 楽しく美味しく鍋をつついた。 晴臣さんは意外に大食な事も分かり、締めのうどんも雑炊もペロリと平らげ・・、俺たちを驚かせた。 遊も、食べてはいるものの やけにおとなしいな・・・と思ったら「しょうゆと塩と生姜かな・・・」と味付けに興味津々で、ゆっくり味わってて、その姿が かわいくて抱きしめたくなった。 食べ終わると、みんなで後片付けをしてリビングへ移動。食後のデザートタイムに突入~。 『うわーい!ロールケーキだっ!』 さっき、かなりの量の鍋を平らげたというのに、 晴臣さんは目をキラキラさせて喜んでいる。 そんな晴臣さんを、優しそうに見つめながらも、 『ガキだな、お前』 と、新見さんが からかう。 『ガキじゃなくて若いんだっ!』 すかさず、晴臣さんも言い返す。 新見さんは、晴臣さんの返しがツボにはまったようで ゲラゲラ笑いだし、晴臣さんの頭を撫でまわしている。 それを晴臣さんが「ガキ扱いすんな!」って怒ったりして・・・ うーん、楽しそう・・・ いっつも こんな感じなんだろうか 漫才コンビみたい。 でもなぁ・・・仲はよさげに見えるけど、 まだまだ恋人同士って感じには見えないなぁ 『ね、晃くん』 『ん?なに?遊』 『あの2人、大丈夫そうだね♪』 『うん、だね~。でもさ、どうやらキスはしたみたいだよ。毎日するのか聞かれたし』 『えー///?そうなんだ。ふふ、1歩前進・・だね』 まだ、じゃれあっている2人を微笑ましく見つめていると、その視線に気がついた晴臣さんは・・・ボボボッと赤くなって・・・ 『コーヒーいれてくるっ///!』 と、一言。 キッチンへ走っていってしまった。

ともだちにシェアしよう!