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新見さんと。☆9
『わー!美味しそうっ!!』
土鍋でグツグツ、美味しそうな匂いに
お腹が グーっと鳴る。
『みーんな若いから肉がいいかなーと思ってな♪
鶏肉に鶏団子に豚肉も入れてみた♪』
『わあ!すごい!』
『お肉いっぱい~』
『・・・なに ちゃっかり
“自分も若いんです” アピールしてんだよ』
『ん?俺、エロ親父だけど、若いから。』
『・・・・・・っ!・・もしかして・・・お前・・・さっきの
まだ根にもってんのかよ!しつっこいな~!
これだから親父は・・・!』
『え?あ、あの・・・』
『あ、え、えと・・・』
『親父だけど若いから記憶力がいーんだよ』
『・・・若い若いってアピールしなきゃダメなくせに
なに言ってんだよ、おじさん!』
『おじさんじゃねーもん』
『もん、とか言うな!』
『もーんもーん』
『・・・・もーっ!』
まだ、2人のじゃれあいは終わらない。
面白いからずっと見ててもいいんだけど
鍋は食べ頃、お腹もグーグー鳴っている・・・
ここは・・・俺がなんとかしないと
『わあー!おいしそうだなー!食べたいなー!』
わざと大きな声を出して‘’食べたいですアピール”をする・・・と、2人は ピタリと言い合いを止めて、そそくさと席についた。
食べ始めると、新見さんが鍋奉行っぷりを発揮して、
楽しく美味しく鍋をつついた。
晴臣さんは意外に大食な事も分かり、締めのうどんも雑炊もペロリと平らげ・・、俺たちを驚かせた。
遊も、食べてはいるものの やけにおとなしいな・・・と思ったら「しょうゆと塩と生姜かな・・・」と味付けに興味津々で、ゆっくり味わってて、その姿が かわいくて抱きしめたくなった。
食べ終わると、みんなで後片付けをしてリビングへ移動。食後のデザートタイムに突入~。
『うわーい!ロールケーキだっ!』
さっき、かなりの量の鍋を平らげたというのに、
晴臣さんは目をキラキラさせて喜んでいる。
そんな晴臣さんを、優しそうに見つめながらも、
『ガキだな、お前』
と、新見さんが からかう。
『ガキじゃなくて若いんだっ!』
すかさず、晴臣さんも言い返す。
新見さんは、晴臣さんの返しがツボにはまったようで
ゲラゲラ笑いだし、晴臣さんの頭を撫でまわしている。
それを晴臣さんが「ガキ扱いすんな!」って怒ったりして・・・
うーん、楽しそう・・・
いっつも こんな感じなんだろうか
漫才コンビみたい。
でもなぁ・・・仲はよさげに見えるけど、
まだまだ恋人同士って感じには見えないなぁ
『ね、晃くん』
『ん?なに?遊』
『あの2人、大丈夫そうだね♪』
『うん、だね~。でもさ、どうやらキスはしたみたいだよ。毎日するのか聞かれたし』
『えー///?そうなんだ。ふふ、1歩前進・・だね』
まだ、じゃれあっている2人を微笑ましく見つめていると、その視線に気がついた晴臣さんは・・・ボボボッと赤くなって・・・
『コーヒーいれてくるっ///!』
と、一言。
キッチンへ走っていってしまった。
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