275 / 761

新見さんと☆11

『うまーい!』 幸せそうにケーキに パクつく晴臣さん。 こんなに美味しそうに食べてもらえて ロールケーキも本望だろう・・・ってくらいの食べっぷりだ。 『ハル、クリームついてる』 新見さんが 晴臣さんの口の横についた クリームを指で取ると、ペロッと舐めた。 『──っ////』 妙に色気のある仕草に 晴臣さんだけではなく 俺たちまで赤くなってしまう。 ──が、当の新見さんは特に変な意図はなかったようで 固まる俺たちをよそに ケーキを食べ始めた。 晴臣さんは1番にケーキを食べ終わると、コーヒーを 一気に飲み干して、俺たちをジーっと見つめてくる。 『・・・・・?なんですか?』 『・・・あ、ロールケーキ・・・欲しい?』 『・・・・え?・・・い、いや、違う違うっ! ・・・・・あ、あのさ・・・お前ら・・・あ、晃と遊が つきあい始めたのって・・・いつぐらいなの?』 『『・・・え?』』 急に・・・なんだ? 俺が、キョトンとして答えられずにいると 『高2だよー』 代わりに遊が答えた。 『あ・・・じゃあ、結構 ながいんだ』 『うん、そうだね』 『でさぁ・・・告白って・・・どっちから?』 あ。俺たちの事、聞きたいのかー よし!そんじゃあ・・・ 『あ、俺、俺!一目惚れってヤツ!ね?ゆー』 『晃くん・・・えへへ///』 『ふーん・・』 『猛烈にアタックしたんだ~!ねー?ゆー』 『う、うん・・・えへへへ///』 『ふーん・・・』 そこまで聞いて、晴臣さんは ちょっぴり赤くなって ・・・視線が泳ぎ始めた。 他にも聞きたいことがあるらしい。 『/// で・・・・、えーと・・・、その・・・////』 なかなか言葉が出てこない晴臣さんの気持ちを読んだように、 遊が口を開いた。 『えっとねー、キスは高2の冬休みでー、 初めて・・・シたのは・・・///、大学受験が終わってからだからー、今年の3月・・かなぁ。えへへ・・・/// 何回か未遂はあったけど・・・////』 『・・・み、未遂 ////??』 『うん。途中までは・・・何回か・・・えへへ////』 『へ、へぇ・・・////』 際どい会話をしながら、 恥ずかしがる晴臣さんと、嬉しそうな遊。 断然、俺の遊の方がかわいい・・・! ・・・けど、 俺も当事者だから ちょっと恥ずかしいな・・・/// 微妙な空気が流れる中、 『ちょ、ちょっと こっち来て!』 『・・・・・え?』 晴臣さんが 遊を引っ張って立たせた。 そのまま遊を隣の部屋に押し込むと ひょこっと顔だけを覗かせ 『お前ら、絶対こっち来んなよっ!』 捨て台詞を残して、バタン!とドアを閉めてしまった。

ともだちにシェアしよう!