13 / 21

13[甘え]

「カイ、朝ごはん何にする?」 「え、や、俺、帰る…!」 「え!?いやいや、ちょっと待ってよ」 「か、帰るってば、離して…」 「ダメに決まってんじゃん!」 「な、なんで…」 「カイは今発情期なんだよ!?普通でも可愛いのに発情期とか危なすぎる!絶対帰らせない。」 「で、でも…」 「あーもう!」 カイを抱きしめる。 「一緒に過ごしたい、から。帰らないで?」 「え、…?」 カイはびっくりしているっぽかった。 「…わか、った。帰らない…」 「ありがとう。」 良かった。本当に。 「で、朝ごはんどうする?」 「な、なんでもいいけど…」 「何か嫌いなものは?」 「えーっと…辛いものと苦いもの、かな…」 「可愛いなぁ、もう…わかった。」 執事にLINEを入れる。もちろん、辛いものと苦いものを抜くことも伝えて。 「カイって兄弟とかいるの?」 「いない。」 「へー!そうなんだ!得意な事何?」 「得意な事…隠し事、とか…」 思わず、キスをする。 「俺の前では、何も隠さなくてもいいんだよ。」 きっと、後ろ指を刺され続けても嫌と言わなかった。本当は傷付いていたことをずっと隠し続けてきた。それが、カイの隠し事。 カイは俺に抱きついたまま泣き始めた。そんなカイを優しく撫でる。

ともだちにシェアしよう!