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13[甘え]
「カイ、朝ごはん何にする?」
「え、や、俺、帰る…!」
「え!?いやいや、ちょっと待ってよ」
「か、帰るってば、離して…」
「ダメに決まってんじゃん!」
「な、なんで…」
「カイは今発情期なんだよ!?普通でも可愛いのに発情期とか危なすぎる!絶対帰らせない。」
「で、でも…」
「あーもう!」
カイを抱きしめる。
「一緒に過ごしたい、から。帰らないで?」
「え、…?」
カイはびっくりしているっぽかった。
「…わか、った。帰らない…」
「ありがとう。」
良かった。本当に。
「で、朝ごはんどうする?」
「な、なんでもいいけど…」
「何か嫌いなものは?」
「えーっと…辛いものと苦いもの、かな…」
「可愛いなぁ、もう…わかった。」
執事にLINEを入れる。もちろん、辛いものと苦いものを抜くことも伝えて。
「カイって兄弟とかいるの?」
「いない。」
「へー!そうなんだ!得意な事何?」
「得意な事…隠し事、とか…」
思わず、キスをする。
「俺の前では、何も隠さなくてもいいんだよ。」
きっと、後ろ指を刺され続けても嫌と言わなかった。本当は傷付いていたことをずっと隠し続けてきた。それが、カイの隠し事。
カイは俺に抱きついたまま泣き始めた。そんなカイを優しく撫でる。
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