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第一章・5

 楓は、瞬時に考えた。 (多分、彼は僕を試してるんだ)  これで怯んで逃げかえれば、もう次の日はないだろう。  組長である父に何やら吹き込み、解雇してしまうに違いない。  それに、大翔はヤクザの一人息子。  拒めば組員を使って、さらに酷い凌辱をしてくるかもしれないのだ。 「いいよ」  やはり楓は、にっこり笑った。 「へぇ、先生でも、こんなことやるんだ」 (嘘! 絶対逃げると思ったのに!)  そうこうするうちに、楓は椅子に掛けた大翔のスウェットに手を伸ばしている。 「ちょっと、お尻浮かせて」 「おう」 (せ、先生の手が、俺のを握って!)  ちゅ、と先端に可愛く口づけ、楓は大翔に施し始めた。  唾液をたっぷりと使い、滑らかに抜き差しをする。  舌を躍らせ、唇で吸い込み、空いている手では陰嚢を優しく揉んだ。 「あ、やべッ! あ、あ、あぁ! 出るぅッ!」  瞬く間に駆け上がり、大翔は楓の口中に精を吐いてしまった。 「ひぁ、はぁ、はぁ。ふぅ、うぅ、う……」  驚くことに楓は、大翔の出した体液を全て余さず飲んでくれた。 (う、嘘だろ)  舌できれいに大翔を舐め清め、最後に再び先端にキスをくれた。

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