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第二章・7

 時は過ぎ、3年生になった大翔は受験のプレッシャーからか、しばしば情緒不安定になった。 「ああもう! 解んねぇよ、こんなの!」 「大翔くんなら、大丈夫だって! ほら、もうすぐ解けるから!」  そう言って、癇癪を起す。 「でも、問題が何訊いてるのかも、解んねぇんだもん……」 「落ち着けば、解るよ。もう一度、読んでみよう、ね」  こう言って、涙をこぼす。  それでも大翔のいい所は、気持ちの切り替えの早さだった。  さっき涙をこぼしていたかと思えば、もう問題が解けたと言って笑う。  そんな大翔は楓にとって、もはや弟のような存在になっていた。  ただ、大翔は弟以上の関係を相変わらず楓に求めてきたが。 「先生、はぁ、はぁ、気持ち、い? なぁ、俺、巧い?」 「ん、ぅんんッ! いいよ、すっごく気持ち悦いよ。大翔くんっ」

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