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第七章・2
「外でデートって、どうすればいいんだ?」
「僕に訊かれても、困るな。誰かとデートしたことなんか、ないんだもん」
しかし、大翔の頭には楓との外デートがすでにぐるぐる渦巻いていた。
(楓先生とカフェに行って、映画観て……)
それはもう、素敵すぎてめまいがする。
「な、聖也。今度の休み、俺に付き合え。デートの練習すっから」
「僕を相手に!?」
「他に適当な相手、いねえもん」
「仕方がないなぁ」
じゃあ、と二人は待ち合わせの日時を決めた。
「僕、いいデートコースを調べておくよ」
「悪いな。よろしく頼むぜ」
あとは二人でオセロゲームなどやって時間を潰したが、聖也の頭の中は日曜日の約束でいっぱいだった。
(僕が、本城くんとデート!?)
もちろんそれは、大翔の本番デートの下見である。
それでも聖也の胸は、どきどきと高鳴っていた。
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