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第十章・5

 舌腹で大きく裏を舐め上げ、下唇をグランズに掛ける。  リップで先端を食み、舌先で舐めまわす。 「巧くなったな、楓」 「誰のせいですか?」  やがて深く咥え込み、ぢゅぽぢゅぽと抜き差しを始めた。  その吸い付く咥内を、柔らかく温かな喉奥を感じ、征生はどんどん充血してゆく。 「っふ、ぅん。んぁ、あん……」  唾液の水音や楓の喘ぎに、背筋をぞくぞくと快感が上ってゆく。 「楓、口に出すぞ」  征生は、ゆるやかに腰を使い始めた。  髪を掴み、奥へ突き上げると楓がむせて呻く。  征生はその声が好きで、これまで何度も何度もそうしてきた。 「んぅ、う。っく、ぅぐうッ! ふっ、う。んんぅ!」 「さぁ、出すぞ。ちゃんと全部、飲むんだ」 「んっく。ぅぐッ! んっ、んっ、ふぅ、うん!」 (征生さんの、こんなにいっぱい……!)  全て飲み干し、上目遣いで征生を見る。  満足げな顔にホッとして、楓はぺろぺろと舌を躍らせた。 「しかし、美味いのかな。俺のものは」 「すっごく、美味しいです」  ぺろり、とのぞく紅い舌が淫靡だ。  征生は楓を立たせて、寝室へといざなった。

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