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第十一章 俺はお前のもの

 時は流れ、春が訪れた。  今日は、大翔の受験した大学の合格発表の日。  彼はこの目で確かめたいと、わざわざ大学まで楓を連れてやって来た。 「合格だぁ!」  大翔が万歳をし、楓に抱きついて来た。 「先生、ありがとう!」 「おめでとう、大翔くん! がんばったね!」  傍には、征生が寄り添っている。 「先生、本当にありがとうございます」 「大翔くん、よくがんばりましたから」  思わず、涙がにじんできた。 (おめでとう、大翔くん。そして……)  これで、家庭教師は本当にお終い。  しかし、楓の胸には組長の言葉がずっと引っかかっていた。 『実は、大翔と難波は、いや征生は、腹違いの兄弟なんです、先生』 『先生。どうか、征生をこれからも支えてやっていただきたい』  これから僕、どうしたらいいいのかな。 「先生、合格パーティーするから来てくれよ!」 「え!? あ、うん。ありがとう」  大翔に手を引かれ、楓は征生の車に乗り込んだ。

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