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第十一章・7

「あ、はぁ。はーっ、はーっ、はぁ、あぁん……」 「楓……」  二人で達した後も、繋がったまま呼吸を整えた。  楓は征生に肌を擦り付け、征生は楓の髪を撫でた。 「征生さん、さっきの、もう一回言ってください」 「俺は、お前のものだ」 「っく。うぅんんッ!」  ふるっ、と震えて、楓はまた漏らした。  どうやらこれは、魔法の呪文らしい。 「……前、征生さんが僕に言った言葉、覚えてますか?」 『いいんだな、楓。俺の、ヤクザのものになっても!』  少し、怖かった、と楓はつぶやいた。 「だけど今は逆に、『俺はおまえのものだ』って」  あれは、と征生は顔を赤くした。 「あの時は、その。ちょっと、興奮していて、だな」 「興奮? 征生さんが?」 「初めて楓を抱けると思うと。それに……」 「それに?」 「少し、いや、ひどく大翔さんに嫉妬していた」  嘘、と楓は眼を円くした。  征生さんが、大翔くんにジェラシー!?

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