85 / 99
第十二章 大翔の未来
「今、何て言った?」
大翔は、自分の前に土下座する難波に訊き返していた。
「岸 楓さんと。岸先生と交際することを、お許しください」
ちょっと待てよ!
まさか、難波がこう来るとは思わなかった!
「実は昨晩、先生と親父さんが話をなさいまして」
『……難波さんを、征生さんを、僕にください!』
『いいでしょう! のしを付けて、差し上げます!』
そんなわけで、私は先生のものになったのです、と征生は大翔に報告した。
「そんなわけで、って。俺だって、楓先生と難波が付き合ってるってこと、知ってたし!」
「ええっ!?」
「難波~、意外と抜けたトコ、あるのな」
大翔は、溜息をついた。
ともだちにシェアしよう!