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第十二章・10

「恋人同士になってから、初めてのエッチだぜ♡」 「本城くん。だからって、こんな高そうなホテルにしなくても……」 「支払いはカード。請求は、全部親父行き~」 「ひどいなぁ」  カフェでお茶を飲み、大翔たちは楓たちと別れた。 『楓先生、たまには遊びに来てくれよな』 『ありがとう、大翔くん。大学生活、しっかりね』 『先生、握手してくれ』 『うん』  温かな楓の手だった。  さよなら、楓先生。  春の嵐のような大翔の初恋は、終わった。  でも、いいんだ。  俺の傍には、聖也がいてくれる。  サイコーに素敵な、新しい恋が始まったんだ。 「そういえば、聖也は試験どうだったんだ?」 「ふふふ、聞きたい?」 「何だよ、もったいぶって」 「本城くんと同じ大学に、合格したよ!」 「マジかぁ!?」

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