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王子ではなく、狩人でした①
「怖がらなくて、いいよ?
俺が一生、お前の事を愛してあげる」
なだめすかすみたいな猫なで声で甘く囁いて、俺の着ているブレザーのボタンをひとつ、ふたつと外していく神宮寺。
ちょ......ちょっと、待ってくれ。
心の準備が......っていうか、色々とおかしいだろうが!
でも俺のそんな訴えは、コイツにまたキスで唇を覆われてしまったせいで音にならずに消えた。
「いい子にしてような?
こんな格好、お前も他人に見られたくないだろ?」
クスクスと笑いながら上半身をすべて剥かれ、神宮寺に組み敷かれて涙目な俺の姿......確かに誰にも、見られたくねぇ。
「神宮寺......今ならまだ、冗談って事にしてやるから。
......な、冷静になれ」
無理やり笑顔を作り、震えながらも訴えてみたけれどそれは一笑に付され、胸の先端を指先で捏ねられると、甘えたような、媚びるような......今まで自分でも聞いた事のないような声が、唇から零れた。
「可愛いなぁ、ホント。
冗談になんか、してくれなくていいよ。
だってこれ、そんなんじゃねぇし」
クククと笑いながら顔が下に降りてきて、そのまま彼は俺のベルトに手を掛けた。
「待て、神宮寺!
落ち着け、話し合えば分かるから!」
彼の魔の手から逃れようと、必死に身を捩る。
だけど体格に差があり過ぎて、そんな抵抗は何の意味も成さなかった。
「んー......、めんどくせ。
それより体で話し合った方が、早くね?」
そんなの‥‥‥。
そんなの絶対に、嫌だぁぁぁぁあだ!!
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