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王子ではなく、狩人でした②
「野良猫ちゃん......お前のご主人様が誰なのか、この可愛い体に教え込んであげるね」
上機嫌でそう言うと、コイツは自身の首もとのネクタイをグイと引っ張って緩めた。
「その、顔。
......まだ冗談かもって、疑ってるだろ。
俺、本気だから」
俺の考えを全部見透かしたかのように、グッとまた俺に顔を近付ける神宮寺。
もう一度キスされると思い、反射的にぎゅっと目を閉じたんだけれど、それは今度は未遂に終わった。
だけど彼の唇は今度は俺の唇ではなく、また首筋に落ちてきた。
チロチロと舌先がまるで別の生き物みたいに蠢き、俺に望まない快楽を与え、心と体を融かしていく。
「抵抗、しないの?
まぁどの道、暴れようが抵抗しようが、ヤる事は一緒だけどね」
にっこりと胡散臭いまでに綺麗な顔で、神宮寺が笑った。
ヤる事は一緒......って、まさか。
嫌な予感に、恐怖心から体が硬直する。
その隙を見逃す事無く、彼は俺の体を乱暴に床に押し倒した。
「大丈夫だよ、山田。
痛い事はしないし、ただ一緒に気持ち良くなるだけだから......ね?」
パンツ一丁にひん剥かれ、情けなく乙女の如く胸元を両手のひらで隠す俺。
それを見てニヤニヤとゲスな笑みを浮かべたまま、俺の弱点を探る神宮寺。
......こんなの、絶対大丈夫なんかじゃねぇ!!
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