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王子ではなく、狩人でした③

 さっきまた逃げようとした結果、完全に彼に背を向ける形になってしまったのは、完全に俺の作戦ミスと言えよう。  背後から抱き締められたまま下着の上からジュニアを撫でられる度、体が大きく跳ね上がる。  敏感過ぎるこの体が、今はただ憎い。 「いいね、その反応。  この先が楽しみだわ、マジで」  ここ二日間ほど、文化祭の準備だの何だので忙しく、抜きそびれていた。  その為神宮寺なんぞのゴツい男の手で軽く扱かれるのにも体はいやらしく応え、がくがくと震えた。 「全然、良くねぇし!  てかお前、男もいけんのかよ!」  そう......俺が知るコイツは、いつだって女を周りに侍らせていたはずだ。  両刀使いだという噂も、耳にした事がない。  その為この男がゲイであるとは、ほんの少しも考えた事がなかった。 「お前、気付いてた?  俺の周りにいた女の子達、みーんなお前の好みの子ばっかだったはずだけど」  確かに彼の周りにいた通称神宮寺ガールズの面々は、どの子も俺の好みのタイプだった。  それもあり俺は、アイツへの敵対心を膨らませ、一方的に勝負を仕掛けるような真似をし続けてきたのだ。  まさかあれ、全部確信犯だったのかよ?  ......でも、だとしたら、なんでだ? 「......一体、何の為に?」  その疑問はまんま言葉となり、口をついて出た。

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