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強姦は、犯罪です!①

「あー、もう......めんどくせ!  やっぱ俺がお前の事をどれくらい好きか、まずは体に教え込むわ」  その瞬間シリアスな雰囲気は霧散し、神宮寺はまたしてもゲスな感じで笑った。  そして再度床にちょっと乱暴に押し倒され、キスをされた。  でもそのキスは、言葉とは裏腹に、めっちゃ優しくて。  ......俺への愛に、溢れていた。  だから俺は、さっきとは異なる意味で怖くなってしまった。  この男から、逃げなくちゃって思った。  だって俺は誰の事も好きになんてなりたくないし、誰かに愛されたいとも思っていないから。 「好きだよ、山田。  どうせお前は、寂しい気持ちを埋める為に、女を抱いてただけなんだろ?  だったらさ......俺を利用してくれて、いいよ。  お前の望む言葉も、お前の望む感情も、お前の望む|体温《ぬくもり》も、全部俺があげる」  嫌だ、そんなの聞きたくない!  俺はそんな事、全く望んでなんかいない!    そう、思うのに。  俺の頬を、涙が伝っていくのを感じた。   「......やっぱりお前なんか、大っ嫌いだ」  泣きながら睨み付け、震える声で告げた。  でも神宮寺はニヤリと笑い、答えた。 「良かった、興味ないって言われなくて。  好きと嫌いは表裏一体っていうし、すぐにそんなのひっくり返してやるよ」 「オセロじゃあるまいし、そう簡単にひっくり返るかよ!  つーか俺、男同士とか絶対無理だし!」  ジタバタと彼の腕の中、暴れた。

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