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断じて、合意の上ではない!①
「こら山田、逃げんなって!
しっかり解しておかないと、後で辛いのお前だぞ?」
ポケットから彼が取り出した、チューブ入りのワセリン。
それを指先に取り、下着の中に突っ込んで優しく撫でるみたいにして触れられると、体が小さく震えた。
「逃げるに決まってんだろうが!
つーかお前、んなもん持ってるとか......まさかこれ、計画的犯行だったのかよ!?」
今度はさっきと違い、背後からではなく馬乗りになって体を弄ばれる俺。
こんなのは不快でしかないはずの行為なのに、無理やり体の熱を高められ、卑猥な吐息が唇から溢れ出て泣きたくなる。
「んー......、違うよ?
これは唇荒れやすいから、常に持ってるヤツ。
けどまぁ、あわよくば、とは思ってたけどね」
本来ならそこはただ出すためだけに存在している器官だから、何かを受け入れるようには作られていないはずの場所。
なのに彼の長く綺麗な指は少しずつ、でも着実に俺の中に侵入してきた。
「山田......ゆっくり、呼吸して?
力抜いて、大丈夫だから」
労うように、額にそっと落とされたキス。
さっきまでただ撫でるだけだったもう片方の手まで下着の中に入ってきて、前を優しく扱かれると徐々に脳が蕩け出し、気付くと体は彼の言葉に従順に従い始めていた。
耳元で甘く誘う、低く少しだけ掠れた声が心地いい。
「いい子だね、山田。
見つけた、......ここが、前立腺。
気持ちいいでしょ?」
クスリと妖艶に笑い、彼は中で指をくいっと曲げた。
自分でも触れたことのない場所を、無理やり拓かれ、これは気持ちのいい行為なんだと教え込まれていく。
相手は、男で。
......しかも俺の天敵、神宮寺だっていうのに。
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