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王子のキスで、野良猫は真実の愛を知る①

「ごめん、こっちが無理だわ。  ......山田の泣き顔、可愛過ぎ」  はぁはぁと息を乱し、興奮した様子で言われた。  何が、王子だ。  ......コイツ、マジでやべぇド変態じゃん!  彼から逃れようと、慌てて腕の力だけでずりずりと後退しようとする俺。  でもそんなささやかな抵抗は無視され、大きく足を開かれて足首を彼の両肩に乗せられるという恥ずかし過ぎる体勢にさせられた。  そして神宮寺の分身が、少しずつ俺の中に押し入って来た。 「ハッ......中、きっつ。  山田、力抜けよ。  ちゃんと初めてでも、気持ち良くしてやるからさ」  無理やり犯されているにも等しい状況だと言うのに、その声はやっぱり優しくて。  俺の前髪に触れ、そっとかきあげて額に口付けられると、不思議ともういいかなっていう気分になってきてしまった。  だから俺は彼を受け入れるべく、今度は自らの意思で全身の力を抜き、強請るみたいに口付けを求めた。    彼の体に腕をまわし、必死にすがり付く。  すると神宮寺はにんまりと満足げに笑い、更に奥へと腰を進めた。  さっきまで指ですらも圧迫感と異物感が凄まじかったのに、前をしごかれ、何度もキスをかわす内に、感覚が変化してきた。  下腹部から生じていた熱がいつしか全身に廻り、不快でしかなかったはずの感覚が快感へと変わっていくのを感じる。  すると恍惚とした表情でニヤリと笑い、耳元に顔が移動してきて、少し上ずったような、いつもより掠れた声で囁かれた。 「イヤイヤ言ってた割に、突っ込まれた途端、喘ぎまくりなんだけど。  締め付け、ヤバ......。  そんなに、欲しいの?」  ......この、外道!!

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