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王子のキスで、野良猫は真実の愛を知る③
「やだって言いながら、もうイってんじゃん。
やっぱ可愛いな、山田。
こんなんで女の子、ホントに満足させてあげられてんの?」
「......お前、マジでムカつくわ」
呼吸を乱しながら抱き付き、彼の事を睨み付けた。
俺の中、彼がまだ果てていないのを感じる。
「大好きだよ、山田......」
優しくまたキスをして、再開された律動。
一度逝かされたばかりの体は貪欲に、更なる快楽を求めた。
「......俺はお前のことなんか、大嫌いだけどな」
ニヤリと口元を歪めて笑って言うと、神宮寺はプッと吹き出した。
「そういう素直じゃないところも、可愛い。
ホント、大好き」
鎖骨の少し下辺りに唇を寄せ、軽く何度も吸い上げられた。
勝手にキスマークをつけられたんだと気付き、慌てて彼の体を突き飛ばそうとした。
だけど俺とアイツの体は、繋がったままで。
......腕を引かれ、更に奥を抉られた。
「これを見る度、思い出して。
お前の飼い主が、誰かってこと。
消えそうになったら、また痕付けるから。
......本当は中に出したいくらいだけど、山田が後処理に困ると思うから今日は我慢してあげる」
満足そうに鬱血痕を指先でなぞり、囁かれた言葉。
「何だよ、それ。
......お前やっぱ、キモい」
でも本当は嫌じゃなかっただなんて事、口が裂けてもコイツには教えてやらないけれど。
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