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第2話 見せられるわけないでしょう ※
「これより、篠原天樹くんの入部試験、兼歓迎会を始めたいと思います。天樹にはウチのマスコットキャラとして全校に呪詛クラブを発信してもらう役割があります。そこで、何より大事なものは…」
油性マジックをマイク代わりに、惣之助がぺらぺらと喋り立てる。
それから大きく息を吸い込んで、互いの鼻先が触れ合うほど、惣之助の顔が近づいた。
4分の1とはいえど、海外の血は凄まじい。
長いまつ毛、少し垂れた目はくっきりとした二重で、瞳の奥が翡翠色に輝いている。
それからうんと、いい匂いがした。
「心身共に健康でキュートであること!さあ、天樹たんのショタっこ愛されボディ、隅から隅までチェックしちゃうよお」
わきわきと迫りくる手。
両腕と体はがっちりホールドされている。
惣之助が、制服のシャツのボタンを、ぷつん、ぷつんと外していった。
「ブラボー!ブラボー!スタンディングマスターベーションッ!期待を裏切らぬピンク乳首。通称ピンちく!小ぶりでちゅんとしててかわいいでちゅねえ」
「あう、あ、惣之助、先輩い、やめ、やめて」
チクビンゴ、と突き出した両方の人差し指で、惣之助は俺の乳首を上下左右に器用に弾いた。
「なんと。かわいらしく、奥ゆかしいおっぱい」
東吾の鼻息が首筋をなぞり、体がぞくぞく震える。
俺に、断じて、おっぱいはない!
バカにしやがって。
人が気にしていることを、初対面でずけずけと。
「天樹たんのピンちくさくらんぼの種みたいに、コリコリになってきちゃったよ。かわいいね。かわいいよ!soキュート。さてさて、下にはどんな果物がぶら下がってるのかな?」
にっこり。
満面の笑みで、惣之助は俺のベルトを外す。
俺の学ランのズボンのチャックを、チチチチ、とゆっくり下ろしていった。
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