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下着の上から無遠慮に性器を撫でられた。
玉の下をこちょこちょと惣之助の指が這う。
足をじたばたさせて抵抗してみたが、ズボンは呆気なく引き抜かれてしまった。
惣之助の手により露わにされる、母ちゃんが選んだキャラモノボクサーブリーフ。
もっとかっこいいのがいいって、言ったのに!
元ヤン母ちゃんご推奨の、リボンをつけたネコちゃん柄。しかも白地にピンクのドット柄。
あれほど威厳のある父ちゃんみたいなたくましい男になれと豪語するくせに、こんなパンツしか買ってくれない母ちゃんが悪い。
だから、言い訳させてくれ。
「これ、これは、俺のじゃ、母ちゃんが」
「ママのおパンツ履いてきちゃったの?」
「ち!ちがッ!」
「なに。天樹は女物の下着が好きなのか!」
だから違う!
この二人は、本当に人の話を聞かない。
最後のライフラインとばかりに、ダメ元で寅吉を振り返る。
案の定、寅吉はこちらにスマホを向け、笑顔で手をひらひらと振った。
「大丈夫。歓迎会の記念写真はバッチリ」
寅吉はカシャン、カシャンと嬉しそうにシャッターボタンを連打する。
全然嬉しくない。だいじょばない。
バッチリじゃない!
「これ、以上はイジメ、ですよ!俺、怒りますよ!みなさん、いい加減にしな、うあああッ」
脇を抱えられ、意図も容易く、それはもう軽々と俺の体が宙に浮く。
慌てて四肢をばたつかせても、返って間抜けに見えるだけだった。
「天樹たんの一本釣り!」
「真っ白!縦ヘソ!ネコちゃんパンツいいな!」
死ね死ね死ね死ね死ね!
ふざけんな。ふざけんなよ。
ちょっとデカいからって人をバカにして!
「やめろ、やめろよッ」
俺の声になど、聞く耳を持たない二人。
惣之助が、俺の下着に手をかけた。
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