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第13話
やっと、やっと大好きな優に青桜は触れる事が出来た。
舌先、そして舌全体で大きく舐め上げる。
何度も何度も自分の唾液を舌に絡めてゆっくり、ゆーっくり丁寧にした時には舌を全体に広げるように舐め上げ、時には舌先を尖らせカリのくびれや裏筋を舌先で沿うように…
少しずつ力を持った優の裏筋をふっふっと切なげに肩を震わせながら何度か舐め上げた時だった。
「フッ、アゥッ…クッ」と息を荒げた青桜がクタッと優の股座にしなだれかかった。
優の先端が青桜の鼻筋や額を擦り上げたかと思うと青桜は優の蟻の門渡りあたりに口づけるように顔を埋めプルプルと震えていた。
これには優も慌てて青桜を起こす。
そして下肢を見遣る。
「青桜…もしかして甘イキしちゃっの?」
「ごめ…さい」
「僕は青桜の触ってないのに?」
青桜の顔が絶望を写したかのように変わるのを見て優は何とも複雑な心境に陥っていた。
怒ってはいない。優は驚いていたのだ。
目の前の青桜はDom/Sub世界に完全にトリップしている。
本人が望んだ事ではあるが、あまりにもハマり過ぎてる。
倒錯的に浸っていると言うよりも、そのまま
その世界にトリップしてると言って間違いなかった。このまま続けて良いものか…
青桜の躰への負担を考えると優は悩ましかった。
しかし、これは青桜が望んだ事ではある
「…怒ってないよ、青桜。僕のdickに触れた
だけでいっちゃうなんて可愛い過ぎだよ…
本当に青桜は可愛いね。『good boy』
青桜…良い子」
優は優しく青桜の頭を撫でて指の背で青桜の頬を優しく撫でた。
青桜の躰の震えが止まる。過呼吸でも起こすのでは無いかと心配になったが、心からSubにトリップしている今の青桜にはReward(褒め言葉)が一番だと認識した。
別にDomより先に達してはいけないなんて決まりはない。Domである優からもイクなと言う指示はされていない。
ただ、青桜の中のD/Sの常識としての服従心から優より先に達してしまった。ちゃんとお伝え出来なかった。と自己暗示的に自分をパニクらせていた。
優は心の内でホッとする。
青桜の目線に合わせるように覗き込むとその背中を摩り、寝る子をあやす様にトントンを叩いてやる。
青桜が落ち着いて来るのが分かる。
そして、幸せそうに優の脚に頬ずりするのを見て、優も安心する。
「青桜、もう一度確認するけど、
『safe word』は覚えてる?」
青桜は頷く。
「青桜、初めてのプレイで青桜の体には相当
負担が掛かってる筈だ。もう軽くいっちゃっ
たみたいだし、ココで辞めても良いんだ
よ?」
青桜がそろそろと優の足にしがみ付き首を振る。
「青桜、そんな顔しない。まだ足りないなら
普通に抱いてあげるから。ほら、おいで。
もうゆっくりベッドで可愛がらせてくれ。
青桜、僕はお前の体が心配なんだ」
青桜がイヤイヤと首を振り、優の足に下肢を擦り付けた…そこはもう勃ち上がっている。
「青桜…」
「ゅ、ゆう…さ んはこんな…オレ、キライ?
こ…このプレイもキライ?オレが大きいから
気持ち悪い?」
腰を擦り寄せながらクシャと崩れるその表情に優は心からの愛おしさを感じ首を横に振るとその額に口付ける。
「そんな訳ないだろ?この『ごっこ』は多分
僕達にはハマりすぎるくらいの世界観だ。
ただね、僕はまだキチンとお前をコントロー
ルしてやれてないし、こんな事続けていた
ら…お前が愛おしすぎて僕の欲求で青桜を
傷付けてしまいそうなんだ…」
勿論、跡の残る行為はNGだ。
優は心の問題を言っているのだ。
自分だってこのプレイで青桜を追い詰めて追い詰めて、身も心も自分に縋り付く青桜を見たくなっていた。ほんのこの少しの
『ごっこ』の間だけでも…
何度もDom的スイッチは入ったが、ギリギリの所で理性を保っているのは青桜の為だった。
Dom/Subプレイにおいての青桜への身体的負担がまだ分からない。
元々自分の性に放任で、青桜の前では執拗でドロドロとしたものに変わるのは過去からの経験を含め何度もその身で体験している。
何度も形を変えて言うが、優はサディストではない。
傷付けて屈服させようなどとは考えていない。
誰も彼もを服従させたい訳でもない。
ただ、欲求はある。
ただただ、互いに目の前の男は自分のモノにしたい。
甘えさせたい。
尽くしたい。
頼られたい。
繋ぎ止めたい。
離したくない。
互いに必要とし合っているだけの事。
優は青桜との恋人という関係を世間に公表するのは吝かではない。
寧ろ、変な虫が寄り付かない分、公表してしまえば良いとさえ思っている。が、青桜はそうではなかった。
青桜はそう言う所は保守的だ。
ファンの皆や優の未来を考えての事だと理解しているので優もそれに関しては従っている。
ただ、青桜には先程の発言の様に自分を卑下した所があり、青桜は自身に対して少々卑屈な所があった。
青桜は優の自分への愛情が信じきれない所があるのだ。
優の愛情を心から欲している青桜。
優からしてみればどれだけの睦言を重ね、その躰を拓き注いでも、優の愛をその身に受けて喜び咽び泣いていても、どこか青桜が一線を引いてる様に見えてならなかった。
自分と離れたくないと言いながら、自分との距離を取ろうとする青桜を優は心の何処かでもっと繋ぎ止めて置きたいと思っていた。
いつでもその肩を抱きしめていたかった。
今でさえこの状態なのに、自分が本気でその気になったら…優にとっても、この『ごっこ』は甘美な世界だった。
青桜がその身を全部自分に投げ出してくる。エゴイズムのない、お互いが対等として与え与えられる事で形成されている世界。
渇望しているのはいつも自分の方だ。
「ゆうさんッ、safe word ちゃんと言う。
ちゃんと言えるから…優さん、お願い。
本気でオレのDomになって…オレを先輩の
言葉で縛り付けてっ」
「お前は…」
もっともっと優に褒めて欲しいと青桜は優の足元で啜り泣いた。
何がそんなに青桜を追い詰めているかは分からない。
ただ、優は理性の鎖を手放す事にした。
…クチュ…クチュ、チュッ…
卑猥な水音が部屋に響く。
青桜はベッドの上で『crawl 』…“四つん這いで這え”の指示を聞き、追加命令でベッドの縁に座った優に見せる様にローションを塗りたくった指を後孔に入れ自分の内部を広げるように解していた。
「青桜、気持ち良くなるんじゃないよ。
僕は解せって言ったんだからね」
パチンと青桜の尻ベタを叩く。
「ひぃん…っ」
青桜が過剰に反応する。
『青桜は…こう言うのも好きなのか?』
優は何度目かの迷走状態になっていたが、軽く頭を振る。
「ほら、そんな入り口より中はどうなの?
辛いのは青桜だよ」
優が青桜の指が出入りしていた菊門にソロリと触れる。
「はぁ…、はぁ…ゅ さんっ、触らないでっ、
い、今は!」
「自分で解せ」をやり遂げようと目の前の優の可愛い子は必死なのだ。
そして、「触らなくて良いんだ」と言われるのが怖くて必死に取り繕う。
「青桜、指二本くらいじゃいつまで経っても
僕のは入らないよ?
それきそんな入り口ばかりで奥には欲しく
ないのかな?
どのみち、青桜が自分で後孔をどれだけ弄ったところで達けない事は分かっているのでゆっくりのんびり優は付き合う。
眼下の痴態は見目を愉しませるには十分。
一日中だって見ていても良いとさえ思う。
「ふぇ…んっ、んっ」
青桜が自分入口をくぱぁ、くぱぁと広げる。
肉が捲り上がり内壁が見える。
そして躊躇いがちに指を増やす。
今度は優が喉を鳴らす番だ。
『stay』
孔を広げた時だった。
青桜はビクッと振り返る。
「『good boy』青桜」
優の笑顔に嫌な予感しかしない。
「ほら、指力抜けて来てるよ。拡げたままで
『stay』だよ、青桜」
青桜は指に力を入れ自身の菊門を開く
ヒュッと自分の喉がなるのが分かった。
「ッ⁈」
「どうした青桜?」
青桜は腕の力を失い肩で自分の体を支えていた。
「ひゃっ…、ダ…ダメだから、優さんッ!」
「今はそれを決めるのはお前じゃないよ、
青桜」
「キャッ」
パシンッとまた部屋にスパンキングの音が鳴る。
音のわりには青桜の尻ベタをほんのり赤く染める程度の撫でるような行為だったが、青桜には十分なお仕置きだった。
女の子の様な悲鳴。青桜は恥ずかしくなって枕を抱き寄せ顔を埋める。
「青桜、『stay』はどうしたの?お前は
命令を何個無視するつもりだ?」
青桜の体がゾクリと痺れた。優の声音が変わったからだ。
慌てて、青桜は後孔に指を這わす。
「お前は命令無視して謝りもしなければ、
返事も出来ないのか?」
パシンッと言う音と共に優の声が静かにねっとりと青桜の耳を犯す。
「いっ、たいよ、優さ…。ふぇ。ご、ごめん…
なさい」
「僕が青桜のココを解してあげてるんだ。
青桜は精一杯広げて、僕が舐めやすいように
しなくちゃいけないのはわかるよね?」
どんな理屈か分かりはしなかったが、青桜には優に逆らう余裕は無かった。子供の頃でさえこんな泣き方はした覚えはない。
恥ずかしいのに抗えない…
「ほら『say』。僕にどうして欲しいか言って
ごらん」
この瞬間、初めて青桜は本気でSubになっていたかっと思った。今、優が望んでいる言葉は自分が言いたい言葉ではないし、素面で大好きな優に言える言葉でも無かった…優の黒曜石 の瞳が潤む。
そして、その奥に燻っているモノを優も明確に捉えていた。
青桜、一緒に墜ちよう
青桜の瞳が優を捉える。
「ゆぅ…さを…オレのお尻の穴、な…舐めて、
下さい」
「舐めるだけでいいの?」
「…っ?!」
「『look』青桜。舐めるだけ?『say』」
「ふ…っ、ゆ、優さんの舌で入口を解して
下さいで、舌をお尻の穴に突っ込んで、
オレのオレのどこもかしこも…味わって
欲しいっ!」
ゾクッ
優の体の芯が痺れた。
目の前の青桜の顔はこれ以上赤くはなれないであろうと言うほど耳も頸も肩も背も真っ赤で、『look 』の指示から逃げれない彼は半ば叫ぶ様に優に言葉を発した。
優はゆっくり体を伸ばし青桜の頰を捉え、今日初めてその唇にキスをした。
「『good boy』青桜。最高に可愛い。そんな
恥ずかしいセリフも言えちゃうんだね…
こんな青桜が見れるなんて…凄く可愛い。
ゾクゾクするよ…青桜、凄く良い子」
自分の尻を舐めた舌に青桜は必死に吸い付き、次第にクチュクチュとどちらの唾液か分からないほど舌を絡めて、優は自分の唾液を青桜の口に流し込む。
自分が作るもので青桜を形成させたいと優は常々無意識ながらに思っている。それと同じ様に自分の一部が青桜の一部になるように…自らの唾液を青桜の躰に送り込む。
元来のSEXからしても優はとにかく青桜へのマーキングを好んだ。キスマークを付けることが出来ない反動か青桜の腹や背に己の精を吐き捨て擦り込む事を好んでいた…青桜限定への性癖だったが度がすぎると、こうなる。
存分に口内を味わい、唾液を送り込み満足した優はゆっくり体を引いて青桜の腰を持ち上げる。
「青桜、そのままの体勢で良いからお尻だけ
上げておくんだよ」
完全に力が入らなくなった青桜にcommandは使わなかった。
「ひゃっ?!…あっ、あ…あん、ぁ…んっ」
優の舌が青桜の菊門を抉じ開け内壁を犯す。
青桜が身を攀じろうとすれば、すかさず優の『stay』のコマンドが飛ぶ。
「んっ、青桜…分かる?分かるよね。
これは『お仕置き』じゃないからね…ハァ
ん、んっ、青桜が僕にオネダリしたんだよ?
どう?僕の舌がお前の中まで犯しているよ…
お前の中はこんな味がするんだね…ん、
チュッ、じゅるるッ」
「ひぁあああ゛あ゛あ゛っ!!」
「ふふふ…美味し」
「はぁ…はぁ…ご、ん…さ…ぃ」
程なくして百が絶頂を迎えた。
「なんで謝るの?良いんだよ、青桜。良い子、
本当に良い子。僕にお尻の穴舐められて
気持ち良くなっちゃったんでしょ?
自分で僕に『舐めて』っておねだりして
『味わって』って上手に言えて、僕にそう
して貰って気持ちよくなっちゃったんだよ
ね?
僕の手で達く分には何度いっても構わない
よ。むしろ好きなだけ達くんだ。分かった
かい?
そうだな…あんまり前ばかりでイクと大変
だから、女の子イキしようか…可愛く僕の躰
で何回でもイって。ほら、イくんだ。」
青桜が放った腹の白濁も指で掬い青桜に見せつけるように舐め上げ啜る。
「やっ…」
こんな優は知らない…
青桜は本能的に震えて優から逃げるように身を引こうとする。
優の様子がおかしい。
「可愛い…青桜。でも、僕を否定する言葉は
いただけないな。青桜は良い子だよね?
青桜…僕が欲しいって、『言うんだ』。」
青桜は「ヒィッ」と短い悲鳴をあげる。
優は青桜の腰を引き摺り戻すと青桜の半身を手に取りやんわり揉みしだく。
「モモ…『rool』」
青桜の躰がピクンと震え仰向けになりカタカタと震えながらも脚を少し開く。
両手は顔を覆っていた。
本来なら胸の前で揃えての服従のポーズが望ましいが、今の青桜には無理だろうと優なりの優しさで受け流した。
むしろ、優にはそんな些細な事はどうでも良かった。
青桜が自分の100%を受け入れる…と言う事に
酔っていた。
優は青桜の『ソコ』を舐める作業を再開する。
今度はペニスも対象になっていた。
青桜は何年も優に抱かれていたが、皮は被っておらず、そこは優の手で剥かれ、今では立派な男の型に形成されていた。
とにかく優は時間を掛けて青桜を形成していく事を好んでいた。
「欲しい…」とその容姿に似合わないか細い声で青桜が優の要求を満たす様に欲すと、優は満足気な笑みを浮かべ青桜の全てを舐め、吸いつき、舌を後孔に突き刺されていく。
チュポッ、チュポッ、じゅる…ペチャ…
青桜は優が自分から溢れ出すものを舐めとる行為に泣きそうになっていた。
自分がお願いした以上「もう止めて」とは言えず、四肢を震わせひたすら声を殺して耐える。
裏スジから陰囊…中の睾丸を口に含まれて優しく転がされれば今まで味わった事のない快感が体を突き抜ける。
優は青桜に好きにイケと言いながら青桜の陰茎の根元をやんわり抑えつけ、青桜が射精出来ないように戒めていた。
「青桜、唇を噛むのは許さない。
もっと声を聞かせて。可愛い声で僕の為に
啼くんだ。『啼け』。」
そのcommandは青桜の脳を溶かす。
ほらと優は更に優しく青桜を追い詰めた。
今までに優に口淫される事はあったが、ここまでの行為はした事がなく、青桜はどこもかしこも沸騰しそうな躰を持て余し、淫らに悶え過ぎて優に呆れられない事だけを願っていた。
気持ちいいのに、いけない…イカして貰えない。
「くっ、ぁあっ、優 さッ、いっ、ィクーッ
あ゛あ゛ぁーーーっ!!」
すんでのところで優が唇を離す。
「ぁっ、あっ…ふっ」
青桜が切ない声を上げる。大きな背を反らせ、厚い胸板を突き出すように前後させる。
時折優が引っ掻き抓り上げるそこも赤くぽってり主張していた。
明日明後日とバイトが無いのは知っている。
どちらにしても露出する撮影は無いはずだ。
急に仕事が入ったらオロナインでも塗って絆創膏を貼ってあけよう。
そうしたら青桜は恥ずかしがってまた泣いてしまうかもしれないなぁ
優の喉で笑みを殺し、青桜の様子を満足気に見下ろす。
青桜が足の爪先まで突っ張り、ぎゅーっと爪先を丸めを入れてはまたパタンと脚を落とす。何度も何度もイキ掛けてはいかせて貰えない行為を繰り返していた。
青桜の焦点の合わない潤んだ瞳に満足し、その涙を舌で舐めとる。
「可愛い…」
ゾクゾクゾクッ
ビクンッと青桜の躰が何度か跳ねる。
あんなにいかせてもらえなかったカラダは耳元で囁かれた優の声だけで容易に達していた。
「…フフ、『good boy』青桜。脳イキしたの?
しかも、ちゃんと上手に女の子イキ出来た
んだね。
可愛い、良い子。『good boy』」
指を離してやるとトロトロと透明な液体が溢れ落ちる。その卑猥さに優はしゃぶりつきたい衝動に駆られ本能に従おうとしたが、優の言葉に青桜の方が一手早く行動に移していた。
そう、青桜は焦点の合わない瞳で優の股間を弄った。
「…っ、青桜?」
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