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◆2 ep.2 出産後※母乳とか肉体変化あり
最近、リュカと出会った頃の事をよく思い出す。
あれは半ば道楽で商売を始めた頃だった。それなりに人通りのある道を転がるようにして走ってきた子供は、オオカミみたいな大型種に出会った事が無かったのか、俺にぶつかって固まったくせに、追いかけてきたトカゲの主人相手の方が怯えていて、ぎゅうと人の服を掴んだのだ。
なんせ埃っぽい子供で、頬は引っぱたかれたのか赤く、指を解かせる事なんて出来なかった。トカゲとは取引していないし、反感を買った所でどうにでも出来る相手だったから、その場でリュカに値段を付けて連れ帰ったのだ。
本当、美しければ何でもいいのね、とレイラには呆れられた。勢いで買い取ったものの子供の扱い方が分からず、レイラにはすぐ懐いたのに、俺に対しては暫く遠目から動向を気にしている感じのリュカが段々傍に寄ってくるようになり、懐かれて悪い気はしなかった。リュカにヒートが来るまでは。
何年も付き合ってる女だろうと可愛がってた子供だろうと、オメガの匂いは同等なのだと思い知った。珍しく高熱を出して魘されてるとレイラから聞いたから、ただの見舞いの筈だったのだ。
リュカがオメガだとは分かってたが、初潮が来たばかりで、普通ならヒートを迎えるまでまだ2年くらいは必要な年齢にしか見えなかったから完全に油断していた。
抑制剤は近くの部屋には置いてないが、この匂いで完全におかしくなるのはこの家じゃ自分だけだ。何とか離れ、レイラかアメリアに抑制剤を打たせて、リュカを隔離しておけばやり過ごせる。
まだ、そのくらいは頭が回った俺より混乱してる子供が『やだ、行かないで』『ジルじゃなきゃやだ』なんて我儘のように云いながら、いつかのように自分に縋った。
涙と共に溢れそうなエメラルドの瞳はまっすぐ自分を見つめていて、この美しいオメガを他の雄にやるのは惜しいと思ってしまったのが、始まりだった。
今のリュカは日がな一日子供を見てる。妊娠中から嫌な予感はしていた。リュカにとっては初めての妊娠なので気に掛け様子を見ていたが、大体いつも自分の腹を見つめたり撫でたりして過ごしてたので。
まぁ珍しく俺に盾突き、自分の意見を云って欲しがっていたのだ。望んですぐ孕んだし、子供が産まれるのが余程楽しみなんだなと、俺も前向きに考えるようにしてたのだが。
「子供も無事産まれて、産後の体調も良くて、なんで拒むんだ、あいつは・・・。」
「理由、訊いてみたの?」
「ダメダメばっかだ。ニコラはよく泣くし。」
上のチビ達同様、ごく小さい内は目が離せないのは分かる。だから夜間や、何なら日中もベビーシッターに任せておけばいいのに、リュカは子供の傍から離れようとしない。
リュカの状態を見て何日かに一回はシッターに預けさせてるが、子供が泣いていなくても寝ていても一挙一動に振り回されており、慢性的に睡眠不足な所為でニコラの横でうとうとしてたり寝ていたりなので、そういう時はさすがに手を出せない。
それと、リュカは今まで特定の物に執着する事が無かったので、子供を取り上げたりするのは気が引ける。まだ暫くはヒートも来ないから抱かれなくても困らない身体で、本人は気にならないのだろうが。
「そもそもあいつに断られたのなんて初めてだ。」
「嘘でしょ?貴方どれだけ甘やかされてきたの?」
その云い草は何だと思わなくも無いが、レイラは体調を崩す日が割かしあるし、アメリアにも仕事が立て込んでいたりすると断られるので、二人に関してはそう驚くような事じゃない。大体、しょうがないと納得出来る理由がある。
まぁ治まらない時はリュカの所へ行ったりしていたし、別に代わりじゃなくリュカを求めても拒否なんてされた事は無かった。
「産後は気分が乗らないとか、そういう問題なのか?」
「さぁ・・・。私達の時ってどうだったかしら。」
「カルロの時はノイローゼ、ジーノの時は産後体調を崩して、アメリアは染料屋の破産に巻き込まれた仕事を処理するのにテッドそっちのけで必死だっただろ。それ所じゃなかった。」
「あら、よく覚えてるのね。」
「お前らの事だからな。」
レイラは満足そうに笑って、座る俺の背後で屈み、俺の首に両腕を回した。
「ジル、明日からまた出張でしょ?お相手しましょうか?」
「お前との気分じゃない。」
ここまで来たら意地もある。お預けを喰らわされた分、リュカで満足したい。
レイラも分かってるという表情で微笑んだ。
「じゃあ協力してあげるから待ってて頂戴。」
レイラはリュカと話し込んでいるのか、朗報も無く、仕方無いので契約についての書類をまとめ始めた所、扉がノックされ、リュカが、ひょこ、と顔を出した。
「ニコラ、寝たから。レイラが見ててくれるって。」
「そうか。こっちへ来い。」
やって来て俺の膝に行儀よく腰掛けたリュカの腰に腕を回す。
腰回りは以前より若干細くなった気がする。隈も出来ているが、顔色は悪くない。
「今夜はちゃんと寝た方がいい。目の色も曇って見える。」
「・・・怒ってる?」
「それ程じゃあ無い。」
どうもこいつは人の意見を気にする。昔からこうだし、もう性分なんだろう。でも俺の胸元に寄り掛かってきたから甘えたい気持ちはあるようだ。リュカは俯きがちに、小さな声で話し出した。
「ニコラ見てるの、楽しいんだ。赤ちゃんてやっぱり可愛いし。上の子たちの時も思ってたけど、自分の子だからもっと特別みたい。」
上のチビ達が産まれた時もリュカはよく傍らで本を読んだり、子供を眺めたりしていた。一人増え二人増え、育ってきたら遊び相手も自分からするようになったから、子供が好きなんだろうとは思っていた。
それと子供を欲しがったリュカを見ていて、どうやら血縁は別格だと云う事も。
改めて言葉にされるとリュカの考えは分かったものの、やはり面白くない気持ちもある。
それは、情けない言葉を吐きたくなるような。
「・・・子供が産まれたら俺は二番目か、」
「ええと、ニコラはまだ何も出来ないから守ってあげなきゃいけないし・・・。ジルは何でも出来るし、レイラとアメリアも居るから・・・。」
「お前とのセックスはお前とじゃなきゃ出来ないんだが?」
「んん、」
云い訳のように言葉を紡ぎながら視線は伏せられたが、明確な拒否は無い。
ただ細い指がもじもじと膝の上で動いているので、言葉の続きを辛抱して待つと、
「あのね、身体が変わったままだから。見られるのが恐い。」
「・・・・・・・・・。」
まさか、それが理由か。腹が膨らんだ妊娠中も事に及んでいるのに、それで断られてるとは思わなかった。俺の表情を見てだろう、リュカは少し慌てたように言葉を続けた。
「あのね、胸だって張ったままで、少し膨らんじゃったし、下も産んで暫くは開いてる感じがしたし・・・。でもアメリア程も無いし、触られたら母乳も出ちゃうと思うんだけど・・・。」
「いいから見せろ。確認してやる。」
受け入れがたいと云わんばかりのリュカの目を無視して、ゆるい服のボタンを外し、当て布を取る。確かに前より胸がふっくらしてるが、元が男体の、微かな膨らみだ。この方が良い。
「っ、ん・・・。」
そっと揉むと、ふに、と指が沈み、柔らかい感触がする。
これは暫くの間、楽しみになるに違いない。
「いいじゃないか。下も見てやる。」
「え。ちょっ、ちょっと待って・・・!」
抵抗しようとするリュカをソファーへ運び、下衣を脱がせて四つん這いで腰を上げさせ、リュカの陰部を自分の目の前に持ってくる。
2本の指で中が見えるように拡げてみたものの、中に傷も無さそうだし、撫で続ければ濡れてきて、指もちゃんと入り、きゅう、と締め付けてくる。指を抜けばいつものように閉じて見えた。
「っ・・・、ね、ジル、変じゃない?」
「大丈夫だ。変わってない。」
「そう?良かった・・・。」
「それより折角の体勢だ。舐めてくれ。」
なんせ、リュカの顔のすぐ近くに俺のモノがある。返事は無かったが、下衣をずらし、ちゅ、ちゅ、と先端に口付けられ、先の方から温かい粘膜に包まれた。相変わらず巧くはないが、口や指のたどたどしい動きが却って刺激にはなる。
「ふっ・・・ぅん、ん・・・。」
リュカは愛液があまり出ないので、直接舐めて潤してやる。中のヒダも舌で撫でると、中が締まって善さそうに呻く。
リュカの喉の方に押し込みがてら、口を離し、指で濡れそぼった中を拡げていくと充血し始めていて、潤滑油を足さなくても良さそうだ。満足いくまで口でも咥えさせたいが、それ以上にさっさと挿れたい欲望が抑えられない。
口淫を止めさせ起き上がらせたリュカと向かい合い、腰を上げさせ、舐めてやった秘部を猛った性器で撫でるように擦ると、びく、とリュカは震えた。
「もう挿れられるのは嫌じゃないだろ?」
「・・・うん。」
「よし。」
まだ少し硬い肉を割って、ゆっくり中へ押し込んでいくと、味わうようにリュカが息を吐く。身体が密着するまで奥まで挿れて、リュカの呼吸が落ち着くのを待ってやる。
「ほら、ちゃんと喰い付いてきてるだろう。緩くない。」
「ん、っあ、・・ん・・・。」
「気持ちいいだろう?」
頷いたリュカの好きな深い所を何度も擦ってやると、ぶる、と身体を震わせ、射精を伴って達する。久しぶりなのだ、今日は好きにいかせてやろうと思う。リュカが応じない所為で此方はなんか、すっきりしないセックスが続いたし、俺もこの身体を貪り尽くしたい。
「あっ、だめっ、・・っん、ふ・・・!」
少し抜けるが膝立ちさせて、胸の先を喰む。軽く歯を立てると柔らかい胸から母乳が出てきた。じゅ、じゅっと吸うと、次から次へと溢れてきて、咥え込んだ場所まで反応して戦慄き出す。自分で口元を押えながらも小さな喘ぎ声を漏らして、抵抗もせずただ感じている。
「よくこんな身体で我慢出来たな。」
「ひぁん!」
口を離して腰を掴み、一気に奥まで呑み込ませて、そのままガツガツリュカの身体を突き上げた。腰を掴んで奥に射精すると、脈打つように震えて達して、悦い顔をする。
連続して達した所為で敏感になってる身体が落ち着くまで、時折締め付けてくる感触を楽しみながらゆっくり揺さぶってやると甘い声を漏らす。
「んっ、ふっ、あっ・・・。」
「ほら、どこが善いのか云ってみろ。」
「っ、おく・・・。奥、さっきみたいに浅いとこと、一番奥、ぐりぐりされるの、好き・・・。」
「此処だな。子宮口か。」
「っ・・・!」
何度も奥をグリグリと刺激してやると、精液を出さずに、雌のイき方に変わり、ぎゅう、と俺を掴んでいた手の力が徐々に弱まってきた。
「・・・リュカ、落ちたか?」
手の力どころか完全に脱力した身体を抱え直し、耳を澄ますと、すぅと寝息が聞こえる。全く、元々人より多く寝る体質なのに無理ばかりするからこうなるのだ。
ぺし、と頬を軽く叩いてみたが、目を覚ます気配は無い。反応が無いのはつまらないが、このまま続ける事にする。
ベッドへ運び、普通の力で揉むだけで、ぴゅっぴゅと乳が出る胸を弄りながら、精液と愛液とで濡れた音を立てる陰部をゆっくり突く。
「っ、ふ・・、あ・・・、」
太腿を抱え、大きく穿つと、小さく喘ぎながらうっすら目を開けたが、人の顔を触ってちょっと微笑んで、また目を閉じる。クソ、俺ならいいらしい。
ちゃんと俺のを締め付けて欲しがる動きをしている中の子宮口に押し当て、俺はまた精液を注ぎ込み、満足いくまでゆっくりと重く、華奢な身体を突き上げた。
「良かった、ちゃんと寝たのね。」
そのまま、疲労の色はあるもののやっぱり美しくもあるリュカの寝顔を眺めていると、レイラがニコラを抱いて入ってきた。
昼寝から起きてしまったらしいニコラを、レイラは差し出してきた。
「ちょっと見ててくれる?テッドとジーノがケンカしたみたい。リュカが前より構ってくれないって二人とも拗ねてたからその所為かも。」
おしゃぶりも渡されたが、珍しく大人しいから咥えさせなくても大丈夫そうだ。小さい手足を動かし、横になってるリュカに気付いたのか、手を伸ばす。
すると、触れてもいないのにリュカが目を開け、眠そうな目で微笑んだ。
「子供が出来て、満足したか?」
「うん。・・・でもジル似の子もいいな。」
そんな甘い言葉を吐いて、ニコラの指を握って、すぅ、とまた眠りに就くとは。
俺としてはリュカ似の柔らかい金色の毛も、瞳の色は俺寄りなのも満足してるんだが。そしてそういう事を云われるとまた犯したくなってくる。
「・・・・・・。」
まぁいい。どうせ全ては自分の腕の中だ。今度の出張は短いし、帰ってきたら、リュカはまた睡眠不足になっていたとしても幸せそうに笑うだろう。
これからも変わらない日々だ。俺も笑いたくなるくらいに。
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