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◆3 ep.2 半分無理矢理

今日は同居人のルネ達と共有スペースの掃除もしたし、夕飯の準備も出来ているし、ディルに好きにしていいと云われた新しい寝室も整えた。 後は旦那さんが帰ってくる前に残りの自分の用事を済まそうと部屋を出ようとした所で、思ったより早く帰ってきたディルに捕まってしまい、おれは寝室に引きずり込まれた。 「ね、今朝もしたのにどうしたの?」 「腹の立つ客が来た。」 うわぁ、それでおれで解消しようってか。おれはあんまり乗り気じゃなかったけど、まぁ、嫌な思いをしながら働いてくれているこの人に養ってもらっている身だし、ずっと我慢させてきた引け目もある。 抵抗せず導かれるまま床に座ると、いつもよりずっと不機嫌そうな顔したディルのものが唇に当たり押し付けられ、そのまま口を開けさせられた。 「んぐ、っ、ん、」 口でするのは久しぶりだ。と云うかこの人相手は初めてなので、舐めるのと吸うのどっちが好きだろとか考えた瞬間に、ぐっと奥に押し込まれ、喉の方まで使われる羽目になった。 大きな手で顔を上向きに固定され、挿れられるだけ挿れられたから、息がするのが苦しくて涙が出てくる。完全に性処理道具として頭を揺さぶられて扱かれながら、喉元に吐き出された精液を何とか大方呑み込んだ。 「っ、げほ、」 でも喉に絡むし変なとこに流れ込んだりで、おれがえずくとディルはバツの悪そうな表情をしたけど、それだけで何も云わなかった。 こういう分かり易いとこ、かわいいなって思うけど、子供が出来たりしたら教育上、無理矢理はダメだし、悪いと思ったなら謝らないとって教えなきゃいけないのかな。でも、おれも咥えたり精液飲まされたりすると興奮しちゃうから、まぁ、いいかな。ディルの萎えてないもの見ちゃうと楽しくもなってくるし。 「すごい、すぐ勃っちゃうんだ・・・。」 「お前も咥えただけで濡れてるな。」 「んっ、」 だってオメガの身体も興奮しやすく、快楽に溺れやすく出来ているから仕方ない。ベッドに乗り上げさせられ、中をぐちゃぐちゃと、いつもより雑に指で弄られる。押し倒され足を開かされてすぐ、ディルのを抵抗なく呑み込んでしまった。 「ん、あん、っ、ん・・・!」 両脚を引っ張られて抱え込まれ、見動きがとれないままガツガツ突かれる。ちゃんとおれの好きな所ばかり、容赦なくだ。こちらがイくのもお構いなし、中が締まれば逆にそっちも気持ち良いのか。ディルのが段々膨らんできているのもよく分かる。なんか、毎日のようにしてると身体だけじゃなく中も柔らかくなって、前より感じやすくなってきてる気がする。 「はぁ、あっ、ん、あんっ・・・!」 声を抑えないでいるとディルの反応も良くなるので、ちゃんと出して、興奮させて。でも、まずい、いつもみたいに最初から遠慮ない行為に背筋がひやりとしてきた。 「おい、ちょっと緩めろ。」 「あ、ねぇ、ダメ!ちょっと休憩・・・!」 「嫌だ。」 「あっ、っ・・・!」 突き上げられるだけじゃなく、性器を握られると、しょわ、とおれのものからは潮じゃないものが出てしまった。ぴた、とディルの動きも止まったから、排泄も止まったけど、さぁとおれの血の気は引いた。 「ごめん、掛かっちゃった、」 「別にいい。」 「ね、まだ出そうだから中断しよ、お願いだから・・・。」 「いい。このまま出せ。」 「嘘、ねっ、冗談でしょ・・・!?」 汚した指に開放されたと思ったら身体全体が抱え上げられ、やっぱりおれの気持ちいい所に当たる、重いストロークが返事だった。ディルの、もうイきそうな感じがするし、性癖が酷すぎる。トイレ行こうとしてた所を連れ込まれてそのまま興奮してしまったおれも悪いんだけど、我慢も限界があるし、このまま犯され続けるのは刺激が強すぎる。 「やだ、ねぇディル、やっ・・・!」 「ほら、出すぞ、」 「ダメ!ねぇ、やだ!」 抵抗しても全然身動きが取れないし、中に出されるのは気持ちいいから今は嫌なのに、遠慮なく奥に押し付けられ、精液を一番奥に掛けられながら排泄欲も刺激されてぐちゃぐちゃだ。 あと、口でする時より汗の匂いとかもするって云うか、普段はあんまりこういう時に抱き寄せてくれないくせにずるい。頑張って我慢してたのに、残滓を吐き出すためのゆっくりとした動きと続く射精につられて、おれも漏らしてしまい、中だけじゃなく、自分の所為でお腹の表面も生温かい。 でもほんとにディルが気にする様子は無く、俺の中に納まったままの性器は硬い。あ、また動き出すし、もう。 「ふぁっ、ん、ふっ、あ・・・、」 「アンリ、まだ出るだろ、」 「ひっ、あ、あっ・・!」 潮や精液と変わらないと思ってるのか、ディルはおれの性器を揉みながら、膀胱の辺りを重く突き上げた。羞恥心からか涙が出てきけど、身体を引っくり返され、めちゃくちゃセックス続ける気満々だ。四つん這いで伸し掛かられ、突き上げられながらお腹も押される。 そのまま俺は膀胱が空になるまで喘がされ、シーツは散々な有様になった。 ディルがもう一回出した所でおれは浴室に連れていってもらえ、身体を洗いたいと云う要望も叶った。まぁディルはまだ満足してないらしく、挿入を伴う入浴だけれど仕方ない。身体を流せて良かった。 「ふっ、んっ・・、ん・・・、」 「なぁアンリ、お前にも羞恥心はあったんだな。」 「お漏らしはさすがに、っ、ん、ダメじゃない・・・?」 「いや、慌てて恥ずかしがってる様は良かった。」 「そう・・・。う・・、んっ・・・、」 湯船の中でもゆっくり突かれ、隙間からちょっとお湯が入ってきたりしてちょっと変な感じだけど、やっぱり気持ちいいとこばっか当たるから震えが治まらない。ディルの首に縋りついたまま、中に出されると、ぶる、とつられておれもいってしまった。 やっぱり普通に射精されるの、気持ちいい。ディルのを抜かれても指で精液を掻き出され、ついでにぐちゃくちゃと、中をイくまで弄られるのも気持ちいい。 「あっ、は!はぁ・・・。」 でも今日はさすがに疲れたな。身体が重くておれが、ぎゅうとそのまま真正面のディルに抱きつくと腕を回された。さすがにもう甘やかしてくれるようだ。 「ディル、このままじゃ漏らすクセ付いちゃう・・・。」 「お前がイきやすいからだろ。」 「でも、今日みたいのは最初で最後にしたい、」 「そうか。」 お願い聞いてはくれなさそうだけど、こんなあからさまに機嫌の良さそうな顔は初めて見た。やっぱバルドと同じ好みだ。雄は初物が好きなんだなあ。 あんな仕打ち、バルドにはされた事無く、ほんとに優しい人だったけど、それでも一通りの事はされてるし、基本的な歓ばせ方は仕込まれてしまっているのだ。 あげられる初めても少ないし、おれもディルの癇に触る話し方は止める努力をしている。前よりは全然無視されたりしないので、会話を長引かせなくても一緒に居られる訳だし。おれのこと、寝る時とか抱き寄せて離そうとしないし、好かれているのもよく分かった。今だってすぐおれの首元に指がいくもん。 「うなじ、好きだねぇ。」 返事は無かったけど、顔が、ぷいと少し横を向いた。ヒートはまだだけど、よく噛まれるもんなぁ。髪切って良かったみたいだし、こういう、案外独占欲が強いところもほんとかわいい。思わず、ぎゅっと抱きつきたくなるくらい。 「ね、来週辺りヒートなんだけど、薬飲まない方がいい?」 「いや、飲んでくれ。」 この前のヒートは一人で過ごさなきゃいけなかったから、楽しみだな。避妊薬は飲んだ方が良いようだけど、抑制剤は無しの方が良いだろうか。なんか、初めての時からやたら人の事イかせたがるディルがおれで理性を吹っ飛ばす所が見てみたい。どのくらいおれのこと好きなのか、もっと知りたい。あと、夕飯だからって離れがたい。 「あとで続き、する?」 「・・・お前も好き者だな。」 いつもみたいにおれを貶すようなこと云っても、これは満更でも無い声だ。だって、おれだって気持ちいいことは楽しい。ディルだってどのオメガを使ったって気持ち良くなれる筈だから、どうしておれじゃなきゃダメなのか、ちゃんと教えて欲しい。 「ほら、立てるか?」 「大丈夫。・・・あ、ねぇ、今日トマトと茸のスープ煮なんだけど、パンとライスどっちがいい?ディルはどっちが好きなのか分かんなかったんだよね。両方用意したけど。」 身体を流すのもそこそこ、脱衣所まで運ばれ、そう話し掛けたら、ぽん、と頭を叩かれた。いや、今のは撫でるに近かったかも知れない。思わずディルを見上げても視線が逸らされて、目が合わないし。えい、肉球揉んじゃお。 「こら、触るな。」 「自分ばっかりずるい。で、どっちが好き?」 「気分次第でどっちでもいい。」 「・・・・・・。」 うーん、やっぱりあんまり話はしてくれない。けど、こういうどうでもいいような話を出来るようになっただけマシなんだろうなぁ。身体を通せばあんなに分かりやすいのにな、と思いながら、おれは笑って、奥の方から流れてきたディルの精液をついでに指で拭った。

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