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高校1年生 (3)

窓の外が橙に染まり始める頃、下のフロアから菫さんの声が響いた。 「2人ともお風呂入っちゃって!」 そうだね、と青花が答え、ゲームは終了となった。 「青花んちの風呂ちょっと広いよな。入るの楽しみなんだよ!」 「そう?普通だと思うけど。楽しみなら颯太先に入ってきていいよ?」 答えた青花はくすくす笑っていて、なんでもない会話なのにつられて俺も笑顔になる。 「いや、客人が一番最初に入るなんて申し訳ないから、青花先に入ってくれないか?」 「……なんか企んでない?」 笑顔だったせいで変に疑われてしまった。にやけているようにでも見えたのだろうか。……いや、確実に見える。 「何も何も。申し訳ないって思うのは本当のことだよ」 「そう?じゃあ信じてあげる。俺が先に入ってくるから、くれぐれも部屋を荒らすなよ?」 「荒らさねぇよ!」 青花が風呂に入ってからは特に部屋を荒らすなんてことはなく、ベッドの下や本棚等色々見たがきちんと元に戻した。――決して荒らしてない。断じて。 ベッドと本棚を見た結果として、青花はそういったものは紙媒体では楽しんでいないということだ。とするとやはり人形が好き、なのだろうか。 「何か企んでない?……か」 特に企んでいなかったが、少しだけイタズラしたい気が起きてしまったのは、きっと友人宅に遊びに来ているがゆえの高揚感のせいだと信じたい。

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