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高校1年生 (15)*

何が起きたのか、一瞬理解できなかった。これまで経験したことの無い浮遊感と快楽で体が動かない。 これで果てたのは三回目くらいだろうか。これだけイけば十分だろうと頭は理解している。しかし体はそうではなかった。指で触られていた部分のもっと奥まで触られたらどうなってしまうのだろう。どれほど気持ちがいいのだろう。そんな期待ばかりして一向に満足していないようだった。 もっと、もっと。触って欲しい、イかせて欲しい。颯太が欲しい―― 唯一動いた眼球で颯太の動きを追う。 ――俺男だから妊娠しないのに、ちゃんとゴム付けてくれるんだ。 髪を撫でられ足をグイッと持ち上げられる。さっきまで弄られていた穴に太いものが押し付けられる。 来る、と思った瞬間だった。 指なんかとは全く違う、太くて硬くて熱くて、ぐわっと押し広げられていく感覚。夢現だったところから一気に引き戻される。 「――!」 声にならないし体も動かない。どうにかしてこの快楽を外に逃がさないと、どうにかなってしまう。 「……!は……か!はる……!はるか!しっかり息しろ青花!」 かひゅっ!と音を立て、空気が一気に肺を膨らます。 「青花ごめん!大丈夫か!?」 「かはっ!はぁ、はぁ。そう……たのが……おっきすぎるんだよ。全身気持ちよすぎて死ぬかと思っ……なんで大きくなってんの!?」 「涙目でしかも上目遣い……ごめん、止めてあげられない。早く終わらせるから我慢してね」 「は?それどういう……ああっ!あ!?待って!激しっ……ちょ、そうたぁ…!」 「はっ、んっ、名前っ、そんな煽るな」 指で触られていたところよりもっと奥、だなんて甘い。比じゃないくらい内臓まで揺らされる。 全身に伝わる快楽の波が脳を支配して何も考えられない。意識せずに押し出される喘ぎ声は颯太の動きと連動する。 「そ……たっ…!」 ギリギリ保った意識で両手を伸ばし颯太の首に巻き付き引き寄せる。 キスをした所で俺の記憶は途切れてしまった。 気が付くと俺は浴室の椅子に座っており、後ろから立っている颯太に凭れ掛かり体を洗われていた。 「あ、青花気がついた?ごめん俺最初だったのに無茶しちゃって……」 そのまま後ろからギュッと抱きしめられる。 「大丈夫だよ。あんなに気持ちいいなんて思ってなかった。好きだよ颯太。ありがとう」 その後続きを自分で洗おうとしたが、腕さえ力が入らなくて結局颯太に全部洗ってもらい、そのまま椅子で颯太がシャワーを浴び終わるのを待ち、肩を借りて浴室を出た。結局2人ともパジャマが汗やら他の液やらで汚れてしまったため、日中着ていた服と一緒に洗濯することにして、俺は颯太に服を借りた。 洗濯機が回っている間リビングでテレビを見ていると、颯太のお母さんが帰ってきた。颯太と同じ綺麗な黒い髪と、大きいのにキリッとした目元がそっくりだった。 挨拶をしようと立ち上がると上手くバランスが取れずよろけてしまった。慌てて隣に座っていた颯太が手を伸ばし、抱きとめてくれたため転倒はしなかったがさすがにヒヤッとした。 「大丈夫!?」 「あはは、大丈夫です。すみません。ご挨拶が遅れました。颯太くんの友人の橘青花です。1日ご厄介になります」 「颯太の母の玲子です。そんな畏まらないで。私もこんな感じで仕事ばっかりだし、気にしないでゆっくりしてってね」 「ありがとうございます」 玲子さんはそのまま二階の部屋に荷物だけ置きに行き、洗面所へ向かった。すると洗面所から玲子さんの声が聞こえ、颯太に行ってもらい洗い終わった洗濯物を取ってきてもらった。 洗濯物を干し、颯太の部屋に布団を1セット用意する。颯太はベッドで、俺は敷いた布団で横になった。 「颯太、よくタオルなんて用意してたよね。俺が誘わなくてもヤる気満々だった感じ?」 「いや、あれは使わない気で、もしそうなったら嬉しいな、くらいで置いておいただけだよ。まさか出番が来るとは思ってなかった」 颯太はベッドが汚れないように、最中にバスタオルを敷いていた。始めは敷いていなかったため、洗濯する時に敷いていたことを知り驚いた。いつ敷いたか気付かなかったし、手際が良すぎる。 「……前の彼女とかも、こうやってやってたの?」 言ってからハッとした。いや俺何聞いてんの?めちゃくちゃ嫉妬してるみたいな……。いや、「みたい」じゃない。嫉妬だこれは。自分を愛してくれている颯太の隣に、過去でも何でも他の人間が立っていたことに卑しくも嫉妬している。 「急にごめん、何でもないよ」 「いや、うん、そうなるよな。ちなみに俺は過去に2人の女の子と付き合った。けど、こういうことを最後までちゃんとしたことは無い」 「それってどういう……」 「2人目の彼女の時に、彼女の家でそういう雰囲気になったんだけど、出来なかったんだ。上手くいかなかった。その子が怖がってるの見て俺も途中から勃たなくて、断念。それ以降はそういう感じにはならなかった」 正直信じられなかった。前戯もしっかりしてくれて痛くないように気遣って、汚れ防止でバスタオルを敷いて。何度かそういうことを経験したから出来ていたものだと思っていた。 「じゃあ、俺が颯太の初めて貰ったってこと……?」 「うん。そういうこと」 「嬉しい。俺自分でもこういうのやったこと無かったから正直怖かったんだけど、颯太と出来て良かった」 急に颯太の返事がなくなった。この一瞬で寝たの?それとも俺、何か変なこと言った? 「青花、自分でもって、自分でも……?抜いたことないの?」 「うん。起きた時に出てた、みたいなことは何度もあったけど、自分でやったことはないね」 ちょっと、何その顔。暗くても流石にわかるよめちゃくちゃ微妙な顔してる! ベッドから降りてきた颯太が俺の枕元でしゃがみ、頭を撫でてきた。 だから何なんだよ!

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