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高校1年生 (17)

ゴン!と響いた鈍い音で目が覚めた。隣で寝ていたはずの青花が少し先でこちらに尻を向けた状態で四つん這いになっていた。 「……青花?」 「わ!颯太おはよう。ごめん起こしたね」 「いいんだけど、どうした?」 「いや……その、立とうと思ったら腰が……」 起きた時腰が痛かったが動けるだろうと軽く見て動いたところ、ダメだったらしい。響いた音は膝を打った音だったようで、いたた……と言いながら膝をさすっている。 とりあえず肩を貸して歩くスペースは無いのでおんぶして階段をおり、リビングのソファに座らせた。 「はい、水」 「ありがとう」 「今日は多分一日そんな感じだろうし、何でも言って」 「んー、申し訳ないよそれは」 「いいんだよ。俺のせい……だし」 軽く握った手を口元に当ててクスッと笑う。 ――青花、可愛さ増してない?恋人だからだろうか。……恋人…… 急に照れくさくなり俺は顔を背ける。 「颯太どうしたの」 「ナンデモナイデス」 「カタコトじゃん。恋人に隠し事はなしですよー。俺の彼氏さーん」 振り返ると、自ら発しておきながら照れている青花と目が合った。 瞬間俺の中の血液が一気に回ったような気がして、咄嗟に青花の顎を両手で挟むようにして上げ、キスしていた。頭の中は「好き」しかなくて、どうにも離れたくない。舌で歯列をなぞると、顎を上げたまま固定された青花の口端から吐息が盛れる。少し苦しそうな青花の潤んだ目が更に俺の熱を高めていく。 頬を挟んだ手を離し、キスしたまま青花の体をソファに倒す。 左手で自身の体を支え、右手は青花の服の中へ潜り込ませた。 「ちょっと……!」 「大丈夫。最後まではしないから」 腹を撫で、胸の小さな突起を指でつまんでくりくりすると小さく愛嬌が聞こえだした。 ズボンに手をかけようとした時、玄関の鍵が開く音が響いた。 慌てて服を直し、青花はソファに座り、俺は飲み物を取りに行くように見せかけるため台所へ行った。 すると丁度その時「ただいまー」と、言いながら母が帰宅した。 「聞いてよー。今日何か知らないけど社員が全員働きすぎだからって急に休みって言われてー。もう向こう着いてたのに。ってあれ?青花くん顔赤くない?熱でもある?」 母は駆け寄り青花の額に手を当て、反対の手を自分の額に当てた。 「大丈夫ですよ。さっき颯太と話が盛り上がっちゃって騒いでたばっかりなんです」 「そう?それならいいけど……」 俺は適当にジュースを2人分注いで青花に片方持っていった。 「あ、ありがとう颯太」 「あら、私にもちょうだい」 「母さんは自分でやれよ」 「あ、じゃあ俺が……痛っ!」 ソファから立とうとした青花がまた膝を打ち付けた。慌てて駆け寄ると青花は照れ笑いした。 「盛り上がってた、ねえ」 言いながら母が視線を落としたような気がした。青花の服は直したし勘づかれるようなものはないはずだ。気のせいだろう。 「……2人とも今日予定ある?せっかくだから青花くんのお母さんも呼んでお昼食べに行かない?」 「特に予定も考えていなかったので大丈夫ですよ」 「決まりね!会ってみたかったのよ青花くんのお母さんに!」 母さんと菫さんだけ会えばいいのに、とは思ったが、俺も菫さんに会いたかったから賛成だった。 青花がすぐ菫さんに連絡を取り、菫さんも行きたいとのことだったので、行くことにした。

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