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進学

「おはよう瑛二」 「おはよう颯太。今日もいい天気だね」 「曇りだぞ?微妙だな」 青花が眠ってから一年と九ヶ月、俺は青花が居る病院の近くにある看護の専門学校に入学した。看護学校自体男子が少ない中で、俺と瑛二は学年唯一の男子だったため自然と一緒に居るようになった。 瑛二は青花が入院している病院の看護師である柚木太一さんの弟で、柚木さん経由で俺と青花の話を聞き、医者志望だったところ看護希望に変えたという。 出会った時にそれを聞いたため、本当に良かったのかと声をかけた時の反応と言ったら実にふわふわしたものだった。 「正直どっちでも良かったんだよね。兄貴も看護師だし、何よりずっと兄貴から話を聞いてたと話がしてみたかったんだよね」 「そ……うなのか」 あれから俺は頻繁に太一さんと連絡を取るようになり、看護の学校を受けることを伝え、志望校の相談や勉強法の相談なんかもしていた。その流れで瑛二の話も聞いていたし、志望校を同じにすると聞いて受験の時は心強かった。 「だから別に後悔とかもしてないよ。勉強には困ってないし、飽きたらまた受験して医師免許取るよ。そういう人多いって聞くし」 瑛二はよく笑う奴で、その笑顔は太一さんとそっくりだった。……初めて会った時の太一さんと。 だが、仲良くしようとしてくれているのは伝わるため、俺は気にせず仲良くなろうと応えるようにした。 大学で四年間通うか専門学校で三年間通うか悩み、一刻も早く資格を取って働いて一人前になりたいと考え、太一さんが昔通っていた専門学校を選んだのだ。 瑛二の容姿は細身で身長はすごく高いわけでは無いが丁度170cmだと言っていた。俺は175cmまで伸びたため、俺と瑛二が並んで歩くと周りの女子より頭一つ分飛び抜けてしまい嫌でも目立つ。また瑛二は顔が良い上、常に笑顔でいるため元いた学校でもかなり人気が高かったそうだ。俺も悪い方ではないためそれなりに声はかけられてきた。 加えて入学式の面接の時に、恋人が入院していること、その恋人の役に立ちたいから看護師を目指していると話してから先生たちが気にかけてくれているし、一方で英二も兄が卒業生ということで、俺たち二人は先生たちからも、他の生徒からも注目されることとなった。

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