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第10話(10)
「だって、月夜。何も言ってくれないから……。てっきり忘れられているのかと思って……」
だからもう、俺との仲は終わりだと思った。
だけど月夜は違った?
まだ俺を、好きでいてくれるの?「サプライズがしたくてね。大切な人に何をプレゼントしたら一番喜んでくれるのかを女性に聞き回っていたんだよ。そうしたら花に辿り着いた。華道家なのにね、盲点だったよ」
まさか月夜が女性記者とよく一緒にいるところを見かけたのって……俺に何を渡せばいいのかを相談していたっていうこと?
俺の目から、また涙が流れ出す。
だけど今度の涙はあたたかい、満たされたものだ。
「不安にさせてしまってごめん。好きだよ、亜瑠兎。この気持ちは絶対にこれからも変わらない」
「っ、月夜……俺も、絶対に変わらない。好き。月夜が好き」
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