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第1話(10)
隼翔さんに月夜と俺の関係を知られたかもしれない。
そのことを言おうと開けた口は、薄い唇に塞がれた。
月夜は俺を横抱きにしたまま靴を脱ぎ、直線上に伸びている廊下を進んでいく。
俺は隼翔さんに、月夜との関係がバラされるんじゃないかってヒヤヒヤしていたから、月夜に迷惑かけたくなくて、どうにかならないのかと相談しようとしたんだ。
それなのに、キスされるなんて。
俺の下肢が、熱を持つ。
月夜にキスされると、いつもこうなるから困る。
真面目は話なんてできない。
「やっ。月……っん……まっ……んぅ!!」
それでも口を開けて、なんとか言おうと、月夜の広い胸板を押して抵抗すれば、月夜の舌が俺の口内へと入り込んでくる。
「は……ぁ…………」
逃げる俺の舌を、月夜は追いかけ、絡め取られる。
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