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第1話(12)

 月夜は俺を跨ぎ、両足で腰を固定させる。  ……俺、逃げないのに……。  その証拠に、月夜とのキスで俺の陰茎は熱を持ち、デニム生地を押し上げている。  それは月夜の目から見てもわかることだ。  それなのに、月夜は俺を離さない。  黒のスーツを脱ぐ月夜に、思わず喉を鳴らしてしまう。  俺、これから、月夜に抱かれるんだ。  でも、今は昼間だ。外はこんなに明るいのに……。  そうは思っていても、俺のみぞおちも熱くなる一方で、熱を持ってしまった身体は、月夜と身体を重ねる以外の対処法はない。  だけど、恥ずかしい。  月夜の首元にあるネクタイを解く音が、これから月夜に抱かれるという事実に拍車をかけてくる。  俺の身体はいっそう月夜を求める原因になる。  だけど月夜、どうしたの?  今の月夜、いつもと違う。

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