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第1話(18)

「っひ、ごめ、なさっ!」  それでも別れたくなくて、未練がましく謝り続ける。  すると突然、俺の身体があたたかいものに包まれた。 「ごめん。亜瑠兎、ごめん」  耳元には月夜の声が聞こえる。  だから、このぬくもりは月夜のものだとわかった。 「隼翔が……亜瑠兎を気に入ったようだったから……ごめん。嫉妬しただけなんだ」  つき……や……? 「君が隼翔に取られるんじゃないかと思ったら……こんなこと……。君を疑う必要なんてなかったのにね。ごめん」  月夜……。  どんなことを言われても、何をされても……俺、月夜が好きだ。 「いいんだ。月夜なら……何をされてもいい。俺……あなたなら、ぜんぶ、あげられる」  だからそんな、苦しそうな顔をしないで。 「亜瑠兎……君は……。あまり、可愛いことを言わないで。君を壊してしまいそうになる」  ……いい。  月夜になら……壊されてもかまわない。

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