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第2話(4)

 俺が落ち込んでいる間にも月夜の指先は器用に動き、形を成していく……。 「できたよ」  にっこりと微笑む彼に、思わず見とれてしまう。  ちくしょう、相変わらず格好いいし。 「…………りがと」  いつものことながらネクタイを結んでくれる月夜に、俺は恥ずかしくてありがとうのたった5文字が言えないんだ。  月夜から背中を向けた。――んだけど、やっぱり月夜は逃してくれなかった。  月夜の手が俺の肩を掴む。  そのまま後ろに引っ張られた。 「う、わわっ!!」  尻もちをつくかと思いきや、月夜は後ろからしっかり俺の身体を支えてくれる。  何事かと見上げれば……。  すぐ目の前には月夜の顔があって――。 「んっんぅ!!」  月夜が俺の唇を塞いだ。  月夜……こんなことしている暇はないってば! 学校に遅れるっ!!  ――なんて思いながらも、俺もキスを拒めない。  月夜の腕をちゃっかり掴む。

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