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第2話(7)

 ――というか月夜。少しは次期当主だっていうことを自覚しろよ!!  百歩譲って、花音のままなら、まあ、いいとしよう。  だらしない姿を世間に見せるのはダメだけど……。  でも、今の俺は花音じゃない。  亜瑠兎なんだ。  亜瑠兎は男で、女じゃない。  当然、世間体っていうものがあるわけで……。 『お姫様だっこ』で登校とかダメだろう!!  葉桜の名前に傷が付く!  月夜の顔を見上げれば……。 「ああ……そうか」  ――のひとこと。  はいぃいいっ?  あまりの間の抜けた返事が返ってきて、口をあんぐり開けてしまう。  月夜はそんな俺を見てか、ひとつ苦笑を漏らして首を振った。 「俺にとって、亜瑠兎は大切な存在だから、腕の中にあるのが当たり前というか……君と離れるなんて考えられないんだよ」  っんな!!  月夜の言葉は俺の顔を熱くさせる。  ボンっという音が聞こえてくるかもしれないほどに……。

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