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第3話(1)
◆『さよなら』は、しょっぱい涙味。◆
その日は快晴。午後2時をまわった日曜日。
月夜 は今日も華道の仕事で家を空けている。
なんでも今日は門下生の手習いで帰ってくるのは夕方だとか……。
相変わらず月夜は学生なのに忙しい。
片や俺は……というと、家でゴロゴロしていたりする。
何をするでもなく、ソファーにもたれてテレビを見ている。
とはいえ、月夜のことばかりを考えているんだけど……。
俺って、本当に月夜が好きなんだ。
あらためて実感する。
そうやって月夜のことを考えていると、唐突に家の固定電話が鳴った。
……なぜだろう。
コール音を聞くだけで心臓が締めつけられる。
なんだかとても嫌な予感がするんだ。
「はい。もしもし、葉桜ですが……」
俺はソファーから重い腰を上げ、玄関にある固定電話の受話器を取った。
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