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第3話(6)

「どうかしたかい? なぜ泣いているんだい?」  眉根を寄せ、尋ねる声音はとても優しい。  おかげで拭ったばかりの目には涙がまた込み上げてくる。 「はやと、さ。つきや。……つきやが……俺、わかれなきゃ……っひ、っく……ううっ……」  悲しみで力を失った俺はその場で(うずくま)り、泣いた。  ――――。  ――――――。 「落ち着いた?」  隼翔さんは俺の顔色を窺いながら、ローテーブルにホットミルクを置いた。 「あの……すみません。押し掛けてしまって……」  ひとしきり泣いた俺は今、隼翔さんの部屋にいる。 「いいよ、俺の用事はちょうど終わったところだったからね。ゆっくりするといい。――それより、いったいどうしたの? 月夜と喧嘩……はしないか。彼は君に対しては甘そうだもんね……」

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