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第3話(15)

 それなのに、俺の身体は雄を欲しがり、脈打っている。  こんな淫らな俺なんかいらない。 「……っひ」  視界が涙で揺れる。  この涙は快楽からか、それとも悲しみなのか。もうわからない。  だけど心は張り裂けそうに痛む。  胸が苦しい。  こんなに月夜のことが好きなのに、もう二度と会えなくなると思うと悲しい。  だけどどんなに願っても無駄なことだ。  だって月夜はもう、俺のことなんか忘れてもしかしたら見合いの女性と笑い合っているかもしれないんだ。  ――ああ、そうだ。月夜が今日も門下生の面倒をみるっていうことさえも嘘かもしれない。  本当は、見合いをしているのかもしれない。もしかしたら相手の女性とデートをしている可能性だってある。  だって俺はこんなに淫らだ。  月夜じゃなくても感じている。  結婚するなら、もっと純真な女性がいいに決まっているじゃないか。

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