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第5話(3)

 本命チョコレートの呼び出しは今日だけでいったい何人いたんだろう。  数え切れないほどだ。 「そういうけれどね、君もけっこう女子に呼び出されていたよね?」 「そんなことは……」 「ない? そう言いきれる? 本当に?」  ニコニコ微笑み、月夜は俺に話しかける。  ……うう。なんか、その笑顔が怖いです。 「言い切れる! だって、俺なんて、登校の時に一回と、二限目に一回、あと……」  指折り数えていると、月夜が俺の手を押さえた。 「……数えない」  月夜が()いてきたから答えたのに、なんなんだよ、まったく。  ツンと唇を尖らせれば、月夜は苦笑を漏らした。 「それで? 俺は今日、ずっとチョコを拒み続けていたのに、本命からはもらえていないんだけれど?」 「っつ!!」  それは昨日の夜。俺が珍しくキッチンに立っているところを月夜にたまたま目撃されてしまったんだ。  料理内容はもちろん、チョコレート作り。

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