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第7話(1)
◆Seven years later◆
「美しい生け方ね」
「葉桜 月夜 でしょう? それにほら、彼の隣にいる秘書。彼もすごく素敵よね、絵になるわ」
玄関ホール内に響き渡るのは、そこに生けられた美しい花々を賞賛する声だ。
月夜と両想いになってから月日は流れ、俺と月夜は、無事に大学を卒業し、二十三歳になった。
そして俺は、大学の在学中に秘書の試験に合格を果たした。
月夜の父親、嘉門 さんは、月夜が家を継ぐこと意外にはもう何も言わなくなっていた。
たぶん、それは月夜の母親である早苗 さんが、俺をものすごく気に入ってくれているからだ。
彼女は俺が月夜と一緒に彼の実家に寄ると、必ず一緒に買い物に誘ってくれるから……。
月夜の大切な家族に受け入れてもらって嬉しいんだが、実家から家に帰ってきた月夜は、『ふたりきりじゃない』って不機嫌になって……。
そのたびに、俺は月夜に拘束され、抱かれ続ける。
ほんと、月夜って、高校の時からずっと変わらない。
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