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第7話(3)
「女性記者に色目を使った」
「………………はあ?」
月夜はいったい何を言っているんだ?
「いやいやいや、使ってないしっ!」
月夜を睨んで否定する。
「亜瑠兎は俺のものだよね?」
「……っつ!」
なかなか頷けないのは、恥ずかしいからだ。
これは高校の時からずっと変わらない。
俯いてしまえば……月夜の目尻が少し上がった。
うっわ、マズい。
月夜を怒らせた!?
どっと汗が噴き出してくる。
怖い。
月夜を怒らせると色々と面倒だ。
ここは素直にちゃんと言わなきゃ。
口を開けば、同時に俺の腕が引っ張られ、ゲストルームに引きずられていく。
記者たちは、急ぎ足で進む月夜の近寄ってくるなオーラを出していることに気付いているのか、無言で道をあける。
ゲストルームに到着すると、すぐにドアを閉じ、俺は足下にあるソファーに押し倒された。
「あの、つきっ、んぅっ!!」
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