80 / 103

第7話(6)

 尚も引き下がらない記者は月夜の機嫌を取ろうとしているのか、はたまたとてもお節介焼きなのか。 「……っふ」  そんなのいいから早くここからいなくなって!  声が、漏れてしまいそうだ。 心の底から願っていると、月夜の手は俺の陰茎を弄りはじめる。 「そうだね、亜瑠兎、何か欲しいものはある?」  月夜はにっこりと微笑み、俺に訊ねる。  だけど俺は声を出せない。  そんなことをしようものなら嬌声が口からすべり出るのは必然だ。  くっそ、月夜は絶対この状況を楽しんでやがる!  少しでも月夜に抵抗したくて無言で睨み返す。  そうしたら――。 「亜瑠兎、頬を赤らめて涙目で睨んでも無駄だよ。それは逆効果。俺を煽ってどうするの」  ぼそっとそう言って、月夜は俺の鈴口に指を滑らせ、指の腹で亀頭を撫でる。  強くもなく、弱くもない絶妙な力加減で俺を責める。 「っひ、ぅ」  絶対に俺は煽ってない!  煽ってないのに、ああ……どうしよう。  月夜が指を走らせるたび、陰茎からは水音が弾き出される。  先走りが流れはじめていた。

ともだちにシェアしよう!