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第7話(9)
「あの……葉桜さん? 篠崎さんのお体の具合はいかがですか?」
「ほら、亜瑠兎。早く言わないと怪しまれるよ?」
ぼそりと耳孔に囁く、低い声。
陰茎を包んでいる手とは違う、今まで俺の乳首を転がしていた、もう片方の手がおもいきり摘み上げ、引っ張った。
俺の腰が浮き、ソファーから離れる。
陰茎がドクンと大きく脈打つ。
「っひ、あああっ!」
しまった、声が漏れた!!
気がついた時にはもう遅い。
声は漏れた後だ。
「あの、篠崎さんは大丈夫でしょうか?」
俺の声を聞いた記者は心配そうに訊ねてくる。
「うん、少し休めばすぐに回復するって言っている」
「そうですか、何かございましたらお気軽にお声がけください。我々はホールでお待ちしておりますので……。他の記者にもそれとなく伝えておきます」
「ありがとう、助かるよ」
遠ざかっていく足音に、俺の身体から力が抜ける。
そこで、俺の後孔へと、骨張った指がするりと入り込んだ。
「っひ、っぐ!」
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