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第7話
「ふぅ……わかりました」
動きを止め、汗で濡れた前髪をかき上げる。
久しぶりに、視線が交わった。
俺も、理人さんも、かなり息が上がっている。
肩を大きく上下させながら、理人さんが不安げに俺を見上げた。
「カメラ止めたら喘いでくれるんですね?」
「えっ……」
パチクリと瞬いたアーモンド・アイの端っこに映っているのは、もう鎮火することなんてできない、メラメラと燃えたぎる欲に支配された俺。
「あー……ま、まあ、うん。そ、そういうこと、になる、な」
唇の先は尖っているし、ものすごくモゴモゴ歯切れの悪い口調だったけれど……よし、とりあえず証拠映像はバッチリだ。
念のためもう2秒だけそのまま待ってから、俺は停止ボタンを押した。
またピコンと高い電子音がして、動画の撮影が止まる。
すると、理人さんが、えっ……と呻いた。
「はい、止めましたよ」
手を伸ばしてスマホをサイドボードに伏せ、マジシャンのように両手をヒラヒラさせる。
種も仕掛けもないことをアピールすると、理人さんは大きく目を見開いた。
「え、止めたのか……?」
「なんですか、その『本当は止めてほしくなかったのに……』みたいな台詞」
「はあ!?」
「なんなら、今からでも撮り直しますけど?」
「ど、どこをどう見たらそうなるんだよ……!」
「はいはい」
タオルを解いて手首を自由にし、細長い腕を自分の首に巻き付ける。
密着した胸板は、どちらも湿っていてとても不快だ。
それでも、触れ合ったところから広がっていくじわじわとした悦びが、荒みかけていた気持ちから、ひとつ、またひとつ……と、角を削り落としていく。
「ん……っ」
根元まで押し込んでいた肉棒を、限界まで引き出した。
まるで引き戻そうとするかのように、襞が先端に吸い付いてくる。
本当に、身体は正直だ。
内臓を引きずられる感覚に顔をしかめながらも、理人さんの股ぐらでは、萎えないそれが健気に震えている。
ひくひくとしゃくり上げるように痙攣し、ぱたたッ……と淫らな涎を垂らした。
「さて……理人さん」
「え、あっ……」
「啼かぬなら 啼くまで攻めます、えーと……あ、ムフフのフ?」
「……」
角度を合わせ、ピタリと当てがう。
そして、
「お、お手柔らかに……ふあぁん!」
ホトトギスは――啼いた。
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